ホーム > システムアーキテクト試験 > 2010年
システムアーキテクト試験 2010年 午前2 問14
情報システムの導入に伴って変化するキャッシュフローの現在価値を計算することで、投資効果を評価する指標はどれか。
ア:BSC
イ:EVA
ウ:NPV(正解)
エ:ROI
解説
情報システムの導入に伴って変化するキャッシュフローの現在価値を計算することで、投資効果を評価する指標はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:投資効果を評価する指標として、キャッシュフローの現在価値を計算する「NPV」が正解です。
- 根拠:NPVは将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し、投資の収益性を定量的に評価します。
- 差がつくポイント:BSCやEVA、ROIは経営指標や利益率評価に使われますが、投資の現在価値評価に特化しているのはNPVだけです。
正解の理由
NPV(Net Present Value:正味現在価値)は、投資によって生じる将来のキャッシュフローを一定の割引率で現在価値に換算し、その合計から初期投資額を差し引いた値です。これにより、投資がどれだけ価値を生み出すかを明確に数値化できるため、情報システム導入の投資効果評価に最適です。
よくある誤解
ROIやEVAは利益や資本効率を評価する指標であり、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引くNPVとは目的が異なります。BSCは戦略的な業績管理の枠組みであり、投資評価指標ではありません。
解法ステップ
- 問題文の「キャッシュフローの現在価値を計算する」というキーワードに注目する。
- 投資効果を評価する指標の中で、現在価値計算を行うものを選ぶ。
- 選択肢の意味を整理し、NPVが該当することを確認する。
- 他の選択肢(BSC、EVA、ROI)は目的や計算方法が異なるため除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: BSC(バランスト・スコアカード)
戦略的な業績評価の枠組みで、財務指標だけでなく顧客や業務プロセスも評価します。投資の現在価値計算は行いません。 - イ: EVA(経済的付加価値)
企業の経済的利益を示す指標で、資本コストを差し引いた利益を評価しますが、将来キャッシュフローの現在価値計算とは異なります。 - ウ: NPV(正味現在価値)
将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し、投資効果を定量的に評価する指標です。 - エ: ROI(投資利益率)
投資に対する利益の割合を示す指標で、現在価値計算は含まれません。
補足コラム
NPVは投資判断の基本指標として広く使われており、割引率の設定が重要です。割引率は資本コストやリスクを反映し、適切に設定しないと評価が歪む可能性があります。また、NPVが正の値なら投資は価値を生むと判断されます。
FAQ
Q: NPVとROIの違いは何ですか?
A: NPVは将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて投資の価値を評価し、ROIは投資に対する利益の割合を示す指標です。
A: NPVは将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて投資の価値を評価し、ROIは投資に対する利益の割合を示す指標です。
Q: EVAはなぜ投資効果評価に使われないのですか?
A: EVAは企業全体の経済的利益を評価する指標であり、特定の投資案件の将来キャッシュフローの現在価値を計算するものではありません。
A: EVAは企業全体の経済的利益を評価する指標であり、特定の投資案件の将来キャッシュフローの現在価値を計算するものではありません。
関連キーワード: NPV, 正味現在価値, キャッシュフロー, 投資評価, 割引現在価値, EVA, ROI, BSC