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システムアーキテクト試験 2010年 午前2 問17
業務プロセスを可視化する手法としてUMLを採用した場合の活用シーンはどれか。
ア:データ中心にプロセスを表現するために、データをエンティティとその属性で表し、エンティティ問の関連を図に示す。
イ:データの流れによってプロセスを表現するために、データの発生、吸収の場所、蓄積場所、データの処理をデータの流れを示す矢印でつないで表現する。
ウ:複数の観点でプロセスを表現するために、目的に応じたモデル図法を使用し、オブプジェクトモデリングのために標準化された記述ルールで表現する。(正解)
エ:プロセスの機能を網羅的に表現するために、一つの要件に対し発生する事象を条件分岐の形式で記述する。
解説
業務プロセスを可視化する手法としてUMLを採用した場合の活用シーン【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:UMLは複数の視点から業務プロセスをモデル化し、目的に応じた図で表現する標準手法です。
- 根拠:UMLはオブジェクト指向のモデリング言語であり、業務の構造や振る舞いを多角的に表現可能です。
- 差がつくポイント:UMLは単一の図だけでなく、ユースケース図やアクティビティ図など複数の図を使い分ける点が重要です。
正解の理由
選択肢ウは「複数の観点でプロセスを表現し、目的に応じたモデル図法を使用し、オブジェクトモデリングのために標準化された記述ルールで表現する」とあります。これはUMLの本質を正確に表しています。UMLは業務プロセスを構造的かつ動的に表現でき、ユースケース図やアクティビティ図など多様な図を用いて、目的に応じた可視化が可能です。したがって、業務プロセスの可視化にUMLを採用する場合の活用シーンとして最も適切です。
よくある誤解
UMLは単にデータの流れやエンティティの関連を示すだけの図ではなく、業務の振る舞いや構造を多面的に表現するための言語です。
また、条件分岐の記述だけに特化したものではありません。
また、条件分岐の記述だけに特化したものではありません。
解法ステップ
- UMLの特徴を理解する(オブジェクト指向で複数の図を使う標準言語)
- 各選択肢の説明がUMLの特徴に合致しているかを検証する
- データ中心やデータフロー中心の表現はUMLの主目的ではないことを確認する
- 条件分岐の記述はUMLの一部ではあるが、全体の活用シーンとしては限定的であることを判断する
- 複数の観点でモデル化し標準化された記述ルールを用いる選択肢を正解とする
選択肢別の誤答解説
- ア: エンティティと属性、関連を示すのはER図の特徴であり、UMLの主な活用シーンではありません。
- イ: データの流れを矢印で示すのはDFD(データフロー図)であり、UMLの図法とは異なります。
- ウ: UMLの特徴を正確に表現しており、複数の図を使い分けて業務プロセスを可視化する点で正解です。
- エ: 条件分岐の形式で事象を記述するのは状態遷移図やフローチャートに近いですが、UMLの活用シーンとしては限定的です。
補足コラム
UML(Unified Modeling Language)は1990年代にオブジェクト指向設計の標準化を目的に開発されました。ユースケース図、クラス図、シーケンス図、アクティビティ図など多様な図を用いて、システムの構造や振る舞いを多角的に表現できます。業務プロセスの可視化では、特にユースケース図やアクティビティ図がよく使われます。これにより、関係者間の共通理解を促進し、要件定義や設計の精度向上に寄与します。
FAQ
Q: UMLは業務プロセスのどの部分を表現できますか?
A: 業務の構造(クラス図)、振る舞い(アクティビティ図、シーケンス図)、利用者の視点(ユースケース図)など多角的に表現可能です。
A: 業務の構造(クラス図)、振る舞い(アクティビティ図、シーケンス図)、利用者の視点(ユースケース図)など多角的に表現可能です。
Q: UMLとER図の違いは何ですか?
A: ER図はデータベース設計に特化し、エンティティとその関係を表現します。一方UMLはシステム全体の構造や振る舞いを表現する汎用的なモデリング言語です。
A: ER図はデータベース設計に特化し、エンティティとその関係を表現します。一方UMLはシステム全体の構造や振る舞いを表現する汎用的なモデリング言語です。
関連キーワード: UML, 業務プロセス可視化, モデリング言語, ユースケース図, アクティビティ図, オブジェクト指向