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システムアーキテクト試験 2010年 午前2 問19
Webシステムにおいて、ロードバランサ(負荷分散装置)が定期的に行っているアプリケーションレベルの稼働監視に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア:WebサーバでOSのコマンドを実行し、その結果が正常かどうかを確認する。
イ:Webサーバの特定のURLにアクセスし、、その結果に含まれる文字列が想定値と一致するかどうかを確認する。(正解)
ウ:Webサーバの特定のポートに対して接続要求パケットを発行し、確認応答パケットが返ってくるかどうかを確認する。
エ:ネットワークの疎通を確認するコマンドを実行し、Webサーバから応答が返ってくるかどうかを確認する。
解説
Webシステムのロードバランサによるアプリケーションレベル稼働監視【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ロードバランサのアプリケーションレベル監視は、特定URLへのアクセス結果の内容確認が最適です。
- 根拠:単なる接続確認ではなく、実際のアプリケーション応答内容を検証することで正常稼働を判断します。
- 差がつくポイント:応答の文字列検証により、サービスの機能的な正常性まで監視できる点が重要です。
正解の理由
イは、Webサーバの特定のURLにアクセスし、その応答に含まれる文字列が想定値と一致するかを確認しています。これはアプリケーションレベルの監視として最も適切です。単に接続できるかや応答があるかだけでなく、実際にサービスが期待通りの応答を返しているかを検証できるため、障害の早期発見に有効です。
よくある誤解
ネットワークの疎通確認やポートの接続確認だけでアプリケーションの正常性が保証されると誤解しがちです。これらはレベルが低く、サービスの機能的な問題を見逃します。
解法ステップ
- 問題文の「アプリケーションレベルの稼働監視」に注目する。
- アプリケーションレベル監視は、単なる接続確認ではなく応答内容の検証を含むことを理解する。
- 選択肢の中で応答内容をチェックしているものを探す。
- 「特定URLにアクセスし、応答文字列を確認する」イが該当する。
- 他の選択肢はネットワークやOSコマンドの結果確認であり、アプリケーションレベルではないと判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: OSコマンドの実行結果を確認するのはサーバ内部の監視であり、ロードバランサのアプリケーションレベル監視とは異なります。
- イ: 正解。Webサーバの特定URLにアクセスし、応答内容を検証することでアプリケーションの正常性を確認します。
- ウ: ポートへの接続要求と応答確認はトランスポート層の監視であり、アプリケーションの動作確認には不十分です。
- エ: ネットワークの疎通確認はICMPなどのレベルであり、アプリケーションの稼働状態を判断できません。
補足コラム
ロードバランサの監視は大きく分けて「ネットワークレベル監視」「トランスポートレベル監視」「アプリケーションレベル監視」があります。アプリケーションレベル監視はHTTPのレスポンス内容をチェックすることで、サービスの機能的な問題を早期に検出可能です。例えば、HTTPステータスコードやレスポンスボディの特定文字列を確認する方法が一般的です。
FAQ
Q: なぜポートの接続確認だけでは不十分なのですか?
A: ポート接続が成功しても、アプリケーションが正常に動作しているとは限らず、機能障害を見逃す可能性があります。
A: ポート接続が成功しても、アプリケーションが正常に動作しているとは限らず、機能障害を見逃す可能性があります。
Q: OSコマンドの実行結果を監視に使うことはありますか?
A: サーバ内部の監視では有効ですが、ロードバランサが外部から行うアプリケーションレベル監視としては適切ではありません。
A: サーバ内部の監視では有効ですが、ロードバランサが外部から行うアプリケーションレベル監視としては適切ではありません。
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