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システムアーキテクト試験 2010年 午前2 問21
概念データモデルの解釈として、適切なものはどれか。ここで、モデルの表記にはUMLを用いる。

ア:1件の“在庫取引”データを記録する際、2件の“在庫品”データも更新する。(正解)
イ:“在庫品”データは、現在の在庫数量だけでなく、過去の在庫数量も保持する。
ウ:倉庫別、品目別に入出庫状況を把握することはできない。
エ:品目の異なる“在庫品”データ間で“在庫取引”データを記録できる。
解説
概念データモデルの解釈【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:1件の「在庫取引」データを記録する際、2件の「在庫品」データも更新するのが正しい。
- 根拠:「在庫取引」は「移動元」と「移動先」の2つの「在庫品」と関連し、それぞれの在庫数量を変動させるため。
- 差がつくポイント:UMLのカーディナリティと関連ラベルを正しく読み取り、在庫移動の双方向性を理解することが重要。
正解の理由
選択肢アは、「在庫取引」が「移動元」と「移動先」の2つの「在庫品」と関連し、それぞれの在庫数量を更新する必要がある点を正確に表現しています。UML図では「在庫取引」から「在庫品」へ2本の線が伸び、それぞれに「1対多(*)」の関係が示されているため、1件の取引で2件の在庫品データが関与し、両方の在庫数量を調整することが求められます。
よくある誤解
「在庫取引」が単一の「在庫品」だけに関係すると誤解しがちですが、実際は移動元と移動先の両方の在庫品を更新します。
また、品目間の移動が許されない制約を見落とすと誤った解釈をしてしまいます。
また、品目間の移動が許されない制約を見落とすと誤った解釈をしてしまいます。
解法ステップ
- UML図のエンティティと属性を確認し、各要素の意味を把握する。
- 「在庫取引」と「在庫品」の関連線とカーディナリティを読み取る。
- 「移動元」「移動先」というラベルから、1件の取引が2つの在庫品に関与することを理解する。
- 制約「同一品目間の移動だけを許す」を確認し、品目間の移動は不可と認識する。
- 選択肢を比較し、UMLの関係性と制約に合致するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。1件の「在庫取引」で2件の「在庫品」データを更新する点が正しい。
- イ: 「在庫品」は現在の在庫数量を保持するが、過去の数量は保持しないため誤り。履歴管理は別途必要。
- ウ: 倉庫別・品目別の入出庫状況は「在庫品」と「在庫取引」の関係から把握可能であり誤り。
- エ: 制約により品目の異なる「在庫品」間の移動は許されないため誤り。
補足コラム
UMLの概念データモデルでは、エンティティ間の関連とカーディナリティを正確に理解することが重要です。特に「1対多」や「多対多」の関係は、データの更新や整合性に直結します。また、制約条件は業務ルールを反映しており、モデルの解釈に必須の要素です。概念データモデルは論理設計の基礎となり、正確な理解がシステム開発の品質向上に繋がります。
FAQ
Q: 「在庫取引」が「在庫品」と2本の線で結ばれている意味は?
A: 1件の取引が「移動元」と「移動先」の2つの在庫品に関与し、それぞれの在庫数量を更新することを示します。
A: 1件の取引が「移動元」と「移動先」の2つの在庫品に関与し、それぞれの在庫数量を更新することを示します。
Q: 制約「同一品目間の移動だけを許す」は何を意味しますか?
A: 在庫移動は同じ品目コードの在庫品間でのみ可能で、異なる品目間の移動は認められません。
A: 在庫移動は同じ品目コードの在庫品間でのみ可能で、異なる品目間の移動は認められません。
関連キーワード: UML, 概念データモデル, カーディナリティ, 在庫管理, データベース設計