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システムアーキテクト試験 2011年 午前2 問02
論理データモデル作成におけるトップダウンアプローチ、ボトムアップアプローチに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア:トップダウンアプローチでは、新規システムの利用者要求だけに基づいて論理データモデルを作成するので、現状業務の分析は行えない。
イ:トップダウンアプローチでもボトムアップアプローチでも、最終的な論理データモデルは正規化され、かつ、業務上の属性は全て備えていなければならない。(正解)
エ:ボトムアップアプローチは現状業務の分析に用いるものであり、新規システムの設計ではトップダウンアプローチを使用する。
ウ:トップダウンアプローチでもボトムアップアプローチでも、利用者が使用する現状の画面や帳票を素材として分析を行うのは同じである
解説
論理データモデル作成におけるトップダウンアプローチ、ボトムアップアプローチに関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:トップダウン・ボトムアップ両アプローチとも、論理データモデルは正規化され業務属性を網羅する必要がある。
- 根拠:論理データモデルは業務要件を正確に反映し、データの整合性を保つため正規化が必須だからである。
- 差がつくポイント:両アプローチの分析起点や手法の違いを理解しつつ、最終成果物の品質基準を押さえることが重要。
正解の理由
選択肢イは、トップダウン・ボトムアップのどちらのアプローチでも、最終的な論理データモデルは正規化されていること、かつ業務上必要な属性を全て含むことが求められる点を正確に述べています。論理データモデルは業務の実態を正しく表現し、データの重複や矛盾を防ぐために正規化が不可欠です。どちらのアプローチでもこの品質基準は変わりません。
よくある誤解
トップダウンは新規システムだけ、ボトムアップは現状分析だけに使うと誤解されがちですが、実際は両者とも柔軟に使い分けられます。
また、現状の画面や帳票を素材にするのはボトムアップが主であり、トップダウンでは業務要件から抽象的に設計することが多いです。
また、現状の画面や帳票を素材にするのはボトムアップが主であり、トップダウンでは業務要件から抽象的に設計することが多いです。
解法ステップ
- トップダウンアプローチの特徴を確認する(業務要件から抽象的に設計)。
- ボトムアップアプローチの特徴を確認する(現状データや画面帳票から詳細に分析)。
- 論理データモデルの品質基準(正規化と業務属性の網羅)を理解する。
- 各選択肢がこれらのポイントに合致しているかを検証する。
- 最も正確に論理データモデルの本質を述べている選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:トップダウンは新規システムの利用者要求を基にするが、現状業務分析も行う場合が多く「現状業務の分析は行えない」は誤り。
- イ:正解。両アプローチとも論理データモデルは正規化され、業務属性を全て含む必要がある。
- ウ:現状の画面や帳票を素材に分析するのは主にボトムアップであり、トップダウンでは業務要件から設計するため同じとは言えない。
- エ:ボトムアップは現状分析に強いが、新規システム設計でも両アプローチを組み合わせることが多く、単純に使い分けるのは誤り。
補足コラム
論理データモデルの作成は、システム開発の初期段階で業務のデータ構造を明確にする重要な工程です。トップダウンアプローチは業務全体の視点から抽象的に設計し、ボトムアップアプローチは現状のデータ資源を詳細に分析して設計します。両者を組み合わせることで、より精度の高いモデルが作成可能です。
FAQ
Q: トップダウンアプローチは現状業務を無視してもよいですか?
A: いいえ。トップダウンでも現状業務の理解は重要で、利用者要求と現状分析を組み合わせることが多いです。
A: いいえ。トップダウンでも現状業務の理解は重要で、利用者要求と現状分析を組み合わせることが多いです。
Q: 論理データモデルの正規化はなぜ必要ですか?
A: データの重複や矛盾を防ぎ、整合性を保つために正規化は不可欠です。
A: データの重複や矛盾を防ぎ、整合性を保つために正規化は不可欠です。
Q: ボトムアップアプローチはどんな場合に有効ですか?
A: 既存システムや現状データが豊富にある場合に、詳細な分析を行うのに適しています。
A: 既存システムや現状データが豊富にある場合に、詳細な分析を行うのに適しています。
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