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システムアーキテクト試験 2011年 午前2 問05
モジュールの独立性を高めるには、モジュール結合度を弱くする必要がある。モジュール間の情報の受渡し方法のうち、モジュール結合度が最も弱いものはどれか。
ア:共通域に定義したデータを関係するモジュールが参照する。
イ:制御パラメタを引数として渡し、モジュールの実行順序を制御する。
ウ:入出力に必要なデータ項目だけをモジュール間の引数として渡す。(正解)
エ:必要なデータを外部宣言して共有する。
解説
モジュール結合度が最も弱い情報受渡し方法はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:モジュール間の情報は必要なデータ項目だけを引数として渡す方法が結合度を最も弱くします。
- 根拠:引数渡しはモジュール間の依存を最小限に抑え、内部実装の変更が他に影響しにくいからです。
- 差がつくポイント:共通データや外部宣言は結合度を強め、制御パラメタは制御依存を生むため注意が必要です。
正解の理由
選択肢ウの「入出力に必要なデータ項目だけをモジュール間の引数として渡す」方法は、モジュールが必要な情報だけを受け取り、他のモジュールの内部構造に依存しません。これによりモジュール間の結合度が最も弱くなり、独立性が高まります。引数渡しはモジュールのインターフェースを明確にし、変更の影響範囲を限定できるため、保守性や再利用性の向上に寄与します。
よくある誤解
共通データや外部宣言を使うと便利なため結合度が弱いと誤解されがちですが、これらはモジュール間の依存を強めるため逆効果です。
解法ステップ
- モジュール結合度の定義を確認する(結合度が弱いほど独立性が高い)。
- 各選択肢の情報受渡し方法がモジュール間の依存度にどう影響するかを考える。
- 共通データや外部宣言は依存度が強いことを理解する。
- 制御パラメタは制御結合を生み、結合度が強い。
- 必要なデータだけを引数で渡す方法が最も結合度が弱いと判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 共通域に定義したデータを参照する方法は共通結合で、モジュール間の依存が強くなります。
- イ: 制御パラメタを渡す方法は制御結合で、モジュールの実行順序や動作に依存が生じます。
- ウ: 必要なデータ項目だけを引数として渡す方法はデータ結合で、結合度が最も弱いです。
- エ: 外部宣言して共有する方法は外部結合で、共通データと同様に依存度が高くなります。
補足コラム
モジュール結合度はソフトウェアの保守性や拡張性に直結します。結合度を弱くし、モジュールの独立性を高めることは、バグの局所化や機能追加の容易さに繋がります。引数渡しは最も推奨される方法であり、設計段階で意識すべき重要なポイントです。
FAQ
Q: なぜ共通データを使うと結合度が強くなるのですか?
A: 共通データは複数モジュールが同じデータを直接参照するため、データ構造の変更が全モジュールに影響しやすくなります。
A: 共通データは複数モジュールが同じデータを直接参照するため、データ構造の変更が全モジュールに影響しやすくなります。
Q: 制御パラメタを渡すことはなぜ結合度を強めるのですか?
A: 制御パラメタはモジュールの動作や実行順序に影響を与えるため、モジュール間の依存関係が強くなります。
A: 制御パラメタはモジュールの動作や実行順序に影響を与えるため、モジュール間の依存関係が強くなります。
関連キーワード: モジュール結合度, モジュール独立性, データ結合, 制御結合, 共通結合, ソフトウェア設計