システムアーキテクト試験 2011年 午前206


ソフトウェア開発における分析・設計技法と、その技法における着目点の説明のうち、適切なものはどれか。
DFDを用いた分析・設計技法では、データの流れに着目する。(正解)
E-R図を用いた分析・設計技法では、事象と状態の変化に着目する。
HIPOを用いた分析・設計技法では、対象となるオブジェクトの関連に着目する。
ペトリネットを用いた分析・設計技法では、処理機能に着目する。

解説

ソフトウェア開発における分析・設計技法と着目点【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:DFDはデータの流れに着目し、システムの入出力や処理過程を明確化する技法です。
  • 根拠:DFDはデータの流れを視覚的に表現し、システムの機能分解や情報の流れを把握しやすくします。
  • 差がつくポイント:E-R図はデータの構造(エンティティとリレーション)に着目し、ペトリネットは状態遷移や並行処理の表現に使われる点を理解しましょう。

正解の理由

ア: DFDを用いた分析・設計技法では、データの流れに着目する。
DFD(Data Flow Diagram)は、システム内のデータの流れを中心に表現し、どのようにデータが入力され、処理され、出力されるかを明確にします。これにより、システムの機能や処理の流れを理解しやすく、設計の基盤となります。

よくある誤解

E-R図は「事象と状態の変化」ではなく、データの構造や関係性に着目します。ペトリネットは「処理機能」ではなく、状態遷移や並行処理のモデリングに使われます。

解法ステップ

  1. 各技法の目的と特徴を確認する。
  2. DFDは「データの流れ」、E-R図は「データ構造」、HIPOは「処理の階層構造」、ペトリネットは「状態遷移や並行処理」に着目することを理解する。
  3. 問題文の説明と各選択肢の着目点を照合する。
  4. 正しい着目点を示す選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。DFDはデータの流れに着目し、システムの情報処理過程を表現する。
  • イ: 誤り。E-R図は事象や状態変化ではなく、エンティティ(実体)とリレーション(関係)に着目する。
  • ウ: 誤り。HIPOは処理の階層構造を表現し、オブジェクトの関連に着目する技法ではない。
  • エ: 誤り。ペトリネットは状態遷移や並行処理のモデリングに用いられ、処理機能単体に着目する技法ではない。

補足コラム

DFDは1970年代に提唱され、システム分析で広く使われる図式技法です。E-R図は1976年にピーター・チェンが提案し、データベース設計で必須の技法です。HIPOは処理の階層的な構造を示し、プログラム設計に役立ちます。ペトリネットは並行処理や状態遷移の解析に強みがあります。

FAQ

Q: DFDとE-R図の違いは何ですか?
A: DFDはデータの流れや処理の流れに着目し、E-R図はデータの構造や関係性に着目します。
Q: ペトリネットはどのような場面で使われますか?
A: 並行処理や状態遷移のモデリングに使われ、複雑なシステムの動作解析に適しています。

関連キーワード: DFD, E-R図, HIPO, ペトリネット, ソフトウェア設計, システム分析, 状態遷移, データ構造, 並行処理
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