システムアーキテクト試験 2011年 午前207


データ中心アプローチに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
プログラム設計では、構造化設計技法を用いて業務システムを機能分割する必要がある
データの流れに着目してシステム分析を行い、再利用可能なモジュールを抽出することによってソフトウェアの生産性を向上させることを目的としている。
データ資源の重複だけでなく、データを更新するプロセスの重複も排除することを目的としている。(正解)
データとその処理手順のカプセル化に見られるように、オブジェクト指向の方法論をデータベース設計に応用しようとする試みである。

解説

データ中心アプローチに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:データ中心アプローチはデータ資源の重複だけでなく、更新プロセスの重複排除も目的とする。
  • 根拠:データ中心アプローチはデータの一元管理と整合性維持を重視し、更新処理の重複排除で効率化を図る。
  • 差がつくポイント:オブジェクト指向やデータの流れに着目する手法とは異なり、データと更新プロセスの重複排除に焦点を当てる点を理解すること。

正解の理由

ア: データ資源の重複だけでなく、データを更新するプロセスの重複も排除することを目的としている。が正解です。
データ中心アプローチは、データの一元管理を通じてデータの重複を排除し、さらにデータ更新に関わるプロセスの重複も排除することで、システムの整合性と効率性を高めることを目指します。これにより、データの整合性維持や保守性向上が実現されます。

よくある誤解

データ中心アプローチをオブジェクト指向やデータの流れに着目した手法と混同しやすいですが、これらは別の設計思想です。
また、単に機能分割やモジュール抽出を目的とするものではありません。

解法ステップ

  1. 問題文の「データ中心アプローチ」の定義を確認する。
  2. 選択肢の内容が「データの重複排除」と「更新プロセスの重複排除」に言及しているかをチェック。
  3. オブジェクト指向やデータの流れに関する記述はデータ中心アプローチの特徴と異なることを理解。
  4. 機能分割や構造化設計は別の設計手法であることを認識。
  5. 最も適切な選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。データと更新プロセスの重複排除を目的とする点がデータ中心アプローチの本質。
  • イ: 誤り。オブジェクト指向のカプセル化はデータ中心アプローチではなく、オブジェクト指向設計の特徴。
  • ウ: 誤り。データの流れに着目するのはデータフロー中心の手法であり、データ中心アプローチとは異なる。
  • エ: 誤り。構造化設計技法による機能分割はプログラム設計の手法で、データ中心アプローチの説明ではない。

補足コラム

データ中心アプローチは、データベース設計や情報システムの分析で重要な考え方です。
特に、データの一元管理を通じて整合性を保ちつつ、更新処理の重複を排除することで保守性や効率性を向上させます。
一方、オブジェクト指向はデータと処理を一体化し、データフロー中心は処理の流れに注目するため、設計思想が異なります。

FAQ

Q: データ中心アプローチとオブジェクト指向の違いは何ですか?
A: データ中心アプローチはデータの一元管理と更新プロセスの重複排除に注目し、オブジェクト指向はデータと処理のカプセル化を重視します。
Q: データ中心アプローチはどのような場面で有効ですか?
A: 大規模なデータベース設計や情報システムで、データの整合性維持や更新処理の効率化が求められる場合に有効です。

関連キーワード: データ中心アプローチ, データベース設計, 更新プロセス重複排除, オブジェクト指向, データフロー中心, 構造化設計
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