システムアーキテクト試験 2011年 午前209


並列処理プログラミングの特徴を説明したものはどれか。
複数のシステムを用いて、同時に同じデータを用いて同じ処理を行う。処理結果を照合し、その結果が一致することを確認する。処理結果の頼性を高める。
複数のシステムを用いて、一方ではオンライン処理を実行し、他方ではバッチ処理などの優先度が低い処理を実行する。オンライン処理を実行しているシステムに障害が発生した際には、バッチ処理を実行していたシステムがオンライン処理を引き継ぐ。オンライン処理の可用性を高める。
複数の処理装置を用いて、それぞれにネットワーク処理専用、演算処理専用、データベース処理専用などと役割を決めてお互いを接続する。各装置が役割に応じた処理をすることで、負荷を分散する。システム全体の処理性能を向上させる。
複数の処理装置を用いて、一つのプログラムで行う処理内容を複数に分けて、それぞれの処理装置で実行する。各処理装置で得られた結果は、最終的に一つの結果にまとめる。単一の処理装置だけでは実現できない高速な処理を実現する。(正解)

解説

並列処理プログラミングの特徴とは【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:並列処理プログラミングは処理を複数の装置に分割し同時実行して高速化を図る技術です。
  • 根拠:一つのプログラムの処理を複数に分け、各装置で並行して処理し結果を統合することで性能向上を実現します。
  • 差がつくポイント:単なる負荷分散や冗長化ではなく、処理の分割と同時実行による高速化が並列処理の本質です。

正解の理由

選択肢エは「複数の処理装置で一つのプログラムの処理を分割し、同時に実行して結果をまとめる」と述べており、これが並列処理プログラミングの定義に合致します。単一装置では困難な高速処理を実現するため、処理の分割と並行実行が特徴です。

よくある誤解

並列処理と負荷分散や冗長化を混同しがちですが、並列処理は処理の分割と同時実行による高速化を目的としています。

解法ステップ

  1. 問題文の「並列処理プログラミングの特徴」を正確に理解する。
  2. 各選択肢の説明が並列処理の定義に合致しているか確認する。
  3. 「処理を複数に分けて同時に実行し結果をまとめる」説明を探す。
  4. それが選択肢エであることを確認し、正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア:オンライン処理とバッチ処理を別システムで実行し可用性を高める説明で、冗長化やフェイルオーバーの話であり並列処理ではない。
  • イ:同じ処理を複数システムで行い結果を照合する説明は冗長化や信頼性向上のためのレプリケーションで、並列処理とは異なる。
  • ウ:処理装置に役割を分けて負荷分散する説明は分散処理や負荷分散の話で、並列処理の「同一処理の分割実行」とは異なる。
  • :処理を分割し複数装置で同時実行、結果をまとめる並列処理の本質を正しく説明している。

補足コラム

並列処理はマルチコアCPUやGPUの活用、ビッグデータ解析や科学技術計算で不可欠な技術です。処理の分割方法にはデータ並列処理やタスク並列処理があり、効率的な並列化が性能向上の鍵となります。

FAQ

Q: 並列処理と分散処理は同じですか?
A: 並列処理は一つの処理を複数装置で同時に行う技術、分散処理は複数の独立した処理を複数装置で行う技術で異なります。
Q: 並列処理で重要なポイントは何ですか?
A: 処理の分割方法と各処理の同期・結果統合が重要で、これにより高速化と効率化が実現します。

関連キーワード: 並列処理, 高速化, マルチコア, タスク並列, データ並列, フェイルオーバー, 負荷分散, 冗長化
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