システムアーキテクト試験 2011年 午前212


投資効果を現在価値法で評価するとき、最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオはどれか。ここで、期間は3年間、割引率は5%とし、各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
問題画像
C
A
投資をしない
B(正解)

解説

投資効果を現在価値法で評価する問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:最も投資効果が大きいのはシナリオBである。
  • 根拠:割引率5%で各年の回収額を現在価値に換算し、投資額との差額(正味現在価値)を計算するとBが最大となる。
  • 差がつくポイント:回収額のタイミングが早いほど現在価値が高くなるため、同じ総額でも早期回収のシナリオが有利になる。

正解の理由

シナリオBは1年目に120万円と最も早く大きな回収があるため、割引率5%で現在価値に換算した際の回収額の合計が最も高くなります。投資額220万円を差し引いた正味現在価値(NPV)が最大となるため、投資効果が最も大きいシナリオはBです。

よくある誤解

回収総額が同じなら回収の順序は関係ないと考えがちですが、割引率を考慮すると早期回収の方が価値が高くなります。

解法ステップ

  1. 各シナリオの回収額を年ごとに割引率5%で現在価値に換算する。
  2. 3年間の現在価値の合計を求める。
  3. 投資額を差し引いて正味現在価値(NPV)を計算する。
  4. NPVが最大のシナリオを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア(A):回収額は後半に集中しており、割引率の影響で現在価値が低くなるためNPVはBより小さい。
  • イ(B):1年目に大きな回収があり、NPVが最大となるため正解。
  • ウ(C):回収額が均等だが早期回収が少なく、NPVはBに劣る。
  • エ(投資をしない):投資額も回収もゼロなのでNPVは0。投資効果はない。

補足コラム

現在価値法は将来のキャッシュフローを割引率で現在の価値に換算し、投資の採算性を評価する代表的な手法です。割引率は資本コストやリスクを反映し、早期回収の価値を高めるため、投資判断において重要な指標となります。

FAQ

Q: 割引率が高いほどどのシナリオが有利になりますか?
A: 割引率が高いほど早期回収の価値が相対的に高まるため、回収が早いシナリオがより有利になります。
Q: 投資額が異なる場合はどう評価しますか?
A: 投資額も含めて正味現在価値(NPV)を計算し、NPVが最も大きいシナリオを選びます。

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