システムアーキテクト試験 2011年 午前216


エンタープライズアーキテクチャにおいて、ビジネスアーキテクチャの成果物である機能情報関連図(DFD)を説明したものはどれか。
業務・システムの処理過程において、情報システム間でやりとりされる情報の種類及び方向を図式化したものである。
業務を構成する各種機能を、階層化した3行3列の格子様式に分類して整理し、業務・システムの対象範囲を明確化したものである。
対象の業務機能に対して、情報の発生源と到達点、処理、保管、それらの間を流れる情報を、統一記述規則に基づいて表現したものである。(正解)
最適化計画に基づき決定された業務対象領域の全情報(伝票、帳票、文書など)を整理し、各情報間の関連及び構造を明確化したものである。

解説

エンタープライズアーキテクチャにおける機能情報関連図(DFD)とは【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:機能情報関連図(DFD)は、業務機能の情報の流れや処理を統一記述規則で表現した図である。
  • 根拠:DFDは情報の発生源、処理、保管、流れを視覚的に示し、業務機能の情報処理構造を明確にするために用いられる。
  • 差がつくポイント:情報の種類や方向だけでなく、処理や保管も含めて情報の流れを体系的に表現する点が重要である。

正解の理由

選択肢エは、DFDの定義に最も合致しています。DFDは「情報の発生源と到達点、処理、保管、それらの間を流れる情報」を統一記述規則に基づいて表現する図であり、業務機能の情報処理の全体像を可視化します。これにより、業務の情報フローや処理構造を理解しやすくし、システム設計や改善に役立てられます。

よくある誤解

DFDは単に情報の種類や方向だけを示す図ではなく、情報の処理や保管も含めた動的な情報の流れを表現する点を誤解しやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文の「機能情報関連図(DFD)」の定義を確認する。
  2. DFDの基本要素(情報の発生源、処理、保管、情報の流れ)を理解する。
  3. 選択肢の説明文がDFDの定義に合致しているかを比較する。
  4. 情報の種類や方向のみを示すものと、処理や保管も含むものを区別する。
  5. 最も包括的にDFDの特徴を説明している選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:情報システム間の情報の種類と方向を示すが、処理や保管の表現がなくDFDの全体像を示していない。
  • イ:業務機能の階層化や分類に関する説明であり、DFDの説明とは異なる。
  • ウ:業務対象領域の情報構造や関連を示すもので、DFDの情報処理の流れを表すものではない。
  • エ:情報の発生源、処理、保管、情報の流れを統一記述規則で表現し、DFDの定義に最も適合する。

補足コラム

DFD(Data Flow Diagram)は、業務分析やシステム設計で広く使われる図で、情報の流れを視覚的に表現します。プロセス、データストア、外部エンティティ、データフローの4つの基本要素で構成され、業務の情報処理を理解しやすくします。エンタープライズアーキテクチャでは、ビジネスアーキテクチャの成果物として業務機能の情報処理を整理する際に活用されます。

FAQ

Q: DFDとフローチャートの違いは何ですか?
A: DFDは情報の流れと処理を示す図で、フローチャートは処理手順や制御の流れを示す図です。DFDは情報の入出力に重点を置きます。
Q: DFDの「統一記述規則」とは何ですか?
A: DFDを描く際の記号や表現方法のルールで、誰が見ても同じ意味で理解できるように標準化されています。

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