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システムアーキテクト試験 2011年 午前2 問17
BCP策定に際して、目標復旧時間となるものはどれか。
ア:災害時に代替手段で運用していた業務が完全に元の状態に戻るまでの時間
イ:災害による業務の停止が深刻な被害とならないために許容される時間(正解)
ウ:障害発生後のシステムの縮退運用を継続することが許容される時間
エ:対策本部の立上げや判定会議の時間を除く、待機系への切替えに要する時
解説
BCP策定に際して、目標復旧時間となるものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:目標復旧時間(RTO)は「災害による業務停止が許容される最大時間」を指します。
- 根拠:BCP(事業継続計画)では、業務停止の影響を最小限に抑えるため、復旧までの許容時間を設定します。
- 差がつくポイント:RTOは「許容される停止時間」であり、復旧完了までの時間や切替時間とは異なる点を理解しましょう。
正解の理由
目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)は、災害や障害発生後に業務が停止しても、被害が深刻化しないために許容される最大の停止時間を示します。選択肢イは「災害による業務の停止が深刻な被害とならないために許容される時間」とあり、RTOの定義に合致します。BCP策定時に最も重要な指標の一つであり、復旧計画の目標設定に用いられます。
よくある誤解
目標復旧時間を「復旧完了までの時間」と誤解しやすいですが、実際は「許容される停止時間」であり、復旧作業の完了時間とは異なります。
解法ステップ
- BCPにおける「目標復旧時間(RTO)」の定義を確認する。
- 選択肢の文言をRTOの定義と照らし合わせる。
- 「許容される停止時間」を示す選択肢を特定する。
- 他の選択肢が示す時間(復旧完了時間、縮退運用時間、切替時間)と区別する。
- RTOの定義に最も合致する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「業務が完全に元の状態に戻るまでの時間」は復旧完了時間であり、RTOとは異なります。
- イ: 「業務停止が許容される時間」であり、RTOの正しい定義です。
- ウ: 「縮退運用を継続できる時間」は業務の一時的な低下許容時間で、RTOとは別の概念です。
- エ: 「切替えに要する時間」は復旧作業の一部であり、RTO全体を示すものではありません。
補足コラム
BCP(事業継続計画)では、目標復旧時間(RTO)と目標復旧地点(RPO:Recovery Point Objective)が重要な指標です。RTOは「どれだけ早く復旧すべきか」、RPOは「どの時点までのデータを復旧すべきか」を示します。これらを明確にすることで、災害時の対応計画が具体的かつ実効的になります。
FAQ
Q: 目標復旧時間(RTO)と復旧完了時間は同じですか?
A: いいえ。RTOは許容される最大停止時間であり、復旧完了時間は実際に復旧が完了するまでの時間です。
A: いいえ。RTOは許容される最大停止時間であり、復旧完了時間は実際に復旧が完了するまでの時間です。
Q: 縮退運用時間は目標復旧時間に含まれますか?
A: いいえ。縮退運用時間は業務を限定的に継続する時間であり、RTOとは異なる概念です。
A: いいえ。縮退運用時間は業務を限定的に継続する時間であり、RTOとは異なる概念です。
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