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システムアーキテクト試験 2011年 午前2 問18
グリッドコンピューティングの説明はどれか。
イ:PCから大型コンピュータまで、ネットワーク上にある複数のプロセッサに処理を分散して、大規模な一つの処理を行う方式である。(正解)
ア:OSを実行するプロセッサ、アプリケーションを実行するプロセッサというように、それぞれの役割が決定されている複数のプロセッサによって処理を分散する方式である。
ウ:カーネルプロセスとユーザプロセスを区別せずに、基本的に同等な役割の複数のプロセッサに処理を分散する方式である。
エ:プロセッサ上でスレッド(プログラムの実行単位)レベルの並列化を実現し、プロセッサの利用効率を高める方式である
解説
グリッドコンピューティングの説明はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:グリッドコンピューティングはネットワーク上の複数の異種プロセッサに処理を分散し、大規模処理を実現する方式です。
- 根拠:PCから大型コンピュータまで多様な資源を連携させ、一つの仮想的なスーパーコンピュータとして動作させる点が特徴です。
- 差がつくポイント:単一の役割分担やスレッド並列化ではなく、異種混在の分散処理を理解しているかが問われます。
正解の理由
選択肢イは「PCから大型コンピュータまで、ネットワーク上にある複数のプロセッサに処理を分散して、大規模な一つの処理を行う方式」とあり、グリッドコンピューティングの本質を正確に表現しています。グリッドコンピューティングは、地理的に分散した多様な計算資源を統合し、協調して大規模な計算を行う技術であり、選択肢イがこれに該当します。
よくある誤解
グリッドコンピューティングは単に複数のプロセッサで処理を分散するだけでなく、異種の計算資源をネットワークで連携させる点が重要です。単一の役割分担やスレッドレベルの並列化とは異なります。
解法ステップ
- 問題文の「グリッドコンピューティング」の定義を思い出す。
- 選択肢の説明が「複数のプロセッサの役割分担」か「異種混在の分散処理」かを判別する。
- 「ネットワーク上の複数の異種資源を連携させる」説明がある選択肢を探す。
- 選択肢イが該当するため、これを正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 役割が決まった複数プロセッサによる分散は、グリッドではなく専用システムやクラスタの特徴に近い。
- イ: 正解。多様な計算資源をネットワークで連携し大規模処理を行うグリッドコンピューティングの説明。
- ウ: カーネルプロセスとユーザプロセスの区別をしないという説明はOSのプロセス管理に関する誤解であり、グリッドとは無関係。
- エ: スレッドレベルの並列化はマルチスレッドやマルチコア処理の説明であり、グリッドコンピューティングの範囲外。
補足コラム
グリッドコンピューティングは、科学技術計算や大規模データ解析で活用されます。クラウドコンピューティングと似ていますが、クラウドはサービス提供に重点を置き、グリッドは計算資源の協調利用に重点があります。
FAQ
Q: グリッドコンピューティングとクラスタコンピューティングの違いは?
A: クラスタは同一場所にある同種のコンピュータ群で、グリッドは地理的に分散し異種資源を連携します。
A: クラスタは同一場所にある同種のコンピュータ群で、グリッドは地理的に分散し異種資源を連携します。
Q: グリッドコンピューティングで重要な技術は?
A: リソース管理、ジョブスケジューリング、ネットワーク通信技術が重要です。
A: リソース管理、ジョブスケジューリング、ネットワーク通信技術が重要です。
関連キーワード: グリッドコンピューティング, 分散処理, 大規模計算, ネットワーク連携, 並列処理