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システムアーキテクト試験 2012年 午前2 問05
組込みシステムにおけるコデザインの説明として適切なものはどれか。
ア:開発工程を分析、設計、開発、検証の工程に分けて順次行い、検証から再度分析に戻り、この工程を繰り返す手法
イ:上流工程段階で、ハードウェアとソフトウェアとの機能分担を協調シミュレーションによって十分に検証する手法(正解)
ウ:ハードウェアとソフトウェアとの開発を独立に並行して行った後、両者を組み合わせて統合テストを行うことで、初めて仕様を満たしているかどうかの検証を行う手法
エ:要求定義、設計、製作、試験、保守の順序で開発を進め、各工程でそれぞれの成果物を確認し、前工程には戻らないことを前提に各工程を完了させていく手法
解説
組込みシステムにおけるコデザインの説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:コデザインとはハードウェアとソフトウェアの機能分担を上流工程で協調シミュレーションにより検証する手法です。
- 根拠:組込みシステムはハード・ソフトが密接に連携するため、早期に両者の役割を明確化し調整する必要があります。
- 差がつくポイント:単独開発や後工程での統合テストではなく、上流段階での協調検証がコデザインの本質です。
正解の理由
選択肢イは「上流工程段階で、ハードウェアとソフトウェアとの機能分担を協調シミュレーションによって十分に検証する手法」とあり、コデザインの定義に合致します。組込みシステムではハードとソフトの密接な連携が求められるため、早期に両者の設計を協調し、機能分担を明確にすることが重要です。これにより後工程での手戻りや不具合を減らし、効率的な開発が可能となります。
よくある誤解
コデザインは単に開発工程を順に進める手法や、ハードとソフトを独立に開発してから統合する方法ではありません。上流での協調検証が不可欠です。
解法ステップ
- 問題文の「コデザイン」の意味を確認する。
- 組込みシステムの特徴としてハード・ソフトの密接な連携を理解する。
- 各選択肢の説明を「上流工程での協調検証」かどうかで比較する。
- 上流工程で機能分担を協調シミュレーションする選択肢を選ぶ。
- 選択肢イが該当するため正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 開発工程を順次繰り返す手法はウォーターフォールや反復型開発に近く、コデザインの協調検証とは異なります。
- イ: 正解。上流工程でハード・ソフトの機能分担を協調シミュレーションするコデザインの本質を示しています。
- ウ: ハードとソフトを独立に並行開発し、後で統合テストを行う方法は手戻りが多く、コデザインの協調設計とは逆のアプローチです。
- エ: 要求定義から保守まで順序通り進めて前工程に戻らない手法はウォーターフォールモデルであり、コデザインの協調検証とは異なります。
補足コラム
コデザインは組込みシステム開発における重要な手法で、ハードウェア設計とソフトウェア設計を同時に進めることで、性能やコストの最適化を図ります。近年はFPGAやSoCの普及により、ハード・ソフトの協調設計がますます重要視されています。
FAQ
Q: コデザインはどの段階で行うのが効果的ですか?
A: 上流工程で行うのが効果的で、設計初期にハード・ソフトの機能分担を決めることで後の手戻りを減らせます。
A: 上流工程で行うのが効果的で、設計初期にハード・ソフトの機能分担を決めることで後の手戻りを減らせます。
Q: コデザインとウォーターフォールモデルの違いは何ですか?
A: コデザインはハード・ソフトの協調設計を重視し、ウォーターフォールは工程を順に進める手法で、協調検証の有無が大きな違いです。
A: コデザインはハード・ソフトの協調設計を重視し、ウォーターフォールは工程を順に進める手法で、協調検証の有無が大きな違いです。
関連キーワード: 組込みシステム, コデザイン, ハードウェア・ソフトウェア協調設計, 協調シミュレーション, 開発工程