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システムアーキテクト試験 2012年 午前2 問10
学生レコードのデータが正しいかどうかを検証したい。学生レコードを構成するデ一夕項目には、学籍番号,出身高校コード、学年が含まれ、それぞれを入力とする原因-結果グラフは図のとおりである。テストケースを設計するために、このグラフから作成した決定表として正しいものはどれか。ここで,原因-結果グラフの要素間の関係には、次の表記を用いる。


ア:
イ:
ウ:(正解)
エ:
解説
学生レコードの原因-結果グラフからの決定表作成【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:正しい決定表は「図ウ」であり、原因-結果グラフの論理関係を正確に反映しているためです。
- 根拠:学生レコード受け付けの条件は「正しい学籍番号 ∧ 正しい出身高校コード」、受け付けない条件は「¬正しい学籍番号 ∨ ¬正しい学年」の論理式に基づきます。
- 差がつくポイント:原因の真偽値と結果の判定を正しく対応させ、論理積・論理和の関係を誤らずに決定表に反映できるかが鍵です。
正解の理由
原因-結果グラフでは「学生レコードを受け付ける」は「正しい学籍番号」と「正しい出身高校コード」の両方が真(論理積)で成立します。一方、「学生レコードを受け付けない」は「正しい学籍番号が偽」または「正しい学年が偽」(論理和)で成立します。
図ウはこれらの条件を正しく反映し、各列の原因の真偽値と結果の判定が整合しています。特に、受け付ける条件の列では両原因が真、受け付けない条件の列ではどちらかが偽となっているため、正解です。
図ウはこれらの条件を正しく反映し、各列の原因の真偽値と結果の判定が整合しています。特に、受け付ける条件の列では両原因が真、受け付けない条件の列ではどちらかが偽となっているため、正解です。
よくある誤解
原因-結果グラフの論理積や論理和の結合を見落とし、単純に原因の真偽だけで結果を判断する誤りが多いです。
また、否定(波線)を正しく理解せず、原因の真偽を逆に扱うミスも頻出します。
また、否定(波線)を正しく理解せず、原因の真偽を逆に扱うミスも頻出します。
解法ステップ
- 原因-結果グラフの各原因と結果の関係を確認する。
- 「学生レコードを受け付ける」は「正しい学籍番号 ∧ 正しい出身高校コード」であることを把握。
- 「学生レコードを受け付けない」は「¬正しい学籍番号 ∨ ¬正しい学年」であることを把握。
- 各列に原因の真偽値を割り当て、結果の判定を論理式に従って決定する。
- すべての列で原因と結果の整合性を確認し、正しい決定表を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:正しい学籍番号が偽の列で受け付ける結果が不適切に「X」となっている。論理積の条件を満たしていない。
- イ:出身高校コードの真偽値が誤っており、受け付ける条件を満たしていない。
- ウ:原因の真偽値と結果の判定が論理式に完全に一致し、正しい決定表である。
- エ:出身高校コードの真偽値が誤っており、論理積の条件を満たしていない。
補足コラム
原因-結果グラフはテストケース設計において原因(入力条件)と結果(出力や判定)を視覚的に整理し、論理関係を明確にする手法です。
決定表はこのグラフを基に、すべての組み合わせを網羅的に整理し、テストケースの抜け漏れを防ぎます。
論理積(AND)や論理和(OR)、否定(NOT)の理解が不可欠で、これらの論理演算を正確に扱う力が求められます。
決定表はこのグラフを基に、すべての組み合わせを網羅的に整理し、テストケースの抜け漏れを防ぎます。
論理積(AND)や論理和(OR)、否定(NOT)の理解が不可欠で、これらの論理演算を正確に扱う力が求められます。
FAQ
Q: 原因-結果グラフの否定はどのように決定表に反映すればよいですか?
A: 否定は原因の真偽値を逆に扱います。例えば「正しい学年」の否定は「正しくない学年」として真偽を反転させて決定表に記入します。
A: 否定は原因の真偽値を逆に扱います。例えば「正しい学年」の否定は「正しくない学年」として真偽を反転させて決定表に記入します。
Q: 論理積と論理和の違いは何ですか?
A: 論理積(AND)はすべての条件が真のときのみ真となり、論理和(OR)はいずれかの条件が真であれば真となります。決定表ではこれを正確に反映する必要があります。
A: 論理積(AND)はすべての条件が真のときのみ真となり、論理和(OR)はいずれかの条件が真であれば真となります。決定表ではこれを正確に反映する必要があります。
Q: 決定表の「–」は何を意味しますか?
A: 「–」はその項目が該当しない、または関係しないことを示します。テストケース設計で不要な条件を省略する際に使います。
A: 「–」はその項目が該当しない、または関係しないことを示します。テストケース設計で不要な条件を省略する際に使います。
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