システムアーキテクト試験 2012年 午前214


IT投資案件において、投資効果をPBP(Pay Back Period)で評価する。投資額が500のとき、期待できるキャッシュインの四つのシナリオア~エのうち,最も投資効率が良いものはどれか。
問題画像
a
b
c
d(正解)

解説

IT投資案件におけるPBP評価問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:最も投資効率が良いのは、投資回収期間(PBP)が最短のシナリオ「エ」です。
  • 根拠:PBPは初期投資額を回収するまでの期間を示し、早く回収できるほど効率的です。
  • 差がつくポイント:各年のキャッシュインの累積額を正確に計算し、初期投資500を超える最短年を見極めることが重要です。

正解の理由

PBP(Pay Back Period)は、投資額を回収するまでにかかる期間を評価する指標です。
シナリオ「エ」のキャッシュインは初年度から300と大きく、2年目までの累積で500を超えます。
具体的には、1年目300、2年目200で合計500となり、2年目で投資額を回収可能です。
他のシナリオは2年目までの累積が500に達しないため、PBPが長くなります。
したがって、最も投資効率が良いのは「エ」となります。

よくある誤解

PBPは単にキャッシュインの合計額ではなく、回収期間を重視します。
また、後半に大きなキャッシュインがあっても、早期回収が優先される点を誤解しやすいです。

解法ステップ

  1. 各シナリオの年ごとのキャッシュインを累積計算する。
  2. 初期投資額500を超える最短の年を特定する。
  3. その年数が最も短いシナリオを選ぶ。
  4. PBPが同じ場合は、より早い年に回収できるかを確認する。
  5. 最短PBPのシナリオを正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア(a):累積は1年目100、2年目250、3年目450、4年目700。4年目で回収可能だが、2年目までに500に達しない。
  • イ(b):累積は1年目100、2年目300、3年目600。3年目で回収可能だが、2年目までに500に達しない。
  • ウ(c):累積は1年目200、2年目350、3年目450、4年目600。4年目で回収可能だが、2年目までに500に達しない。
  • エ(d):累積は1年目300、2年目500。2年目で投資額を回収し、最短のPBP。

補足コラム

PBPは投資効率の簡易評価に適していますが、キャッシュフローの時間価値を考慮しません。
より精密な評価にはNPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)も併用すると良いでしょう。
また、リスクや資金繰りの観点からもPBPは重要な指標です。

FAQ

Q: PBPが短いほど必ず良い投資ですか?
A: PBPは回収期間の短さを示しますが、利益の総額やリスクも考慮する必要があります。
Q: キャッシュインが均等でない場合、PBPの計算はどう変わりますか?
A: 各年のキャッシュインを累積し、初期投資額を超える最短年を求める方法は変わりません。

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