システムアーキテクト試験 2012年 午前216


ソフトシステムズ方法論の説明はどれか。
様々な立場の人々の異なった考えを、七つのステージを経て合意形成を行い、問題を解決していく手法(正解)
事前に質問項目を準備することなく、回答に応じて柔軟に次の質問項目を設定することによって、より深く回答者の意見を収集する手法
実際の作業現場などの会話を記録し、身体の動きも含め詳細な分析を行うことによって、現場での活動をあるがままに理解しようとする手法
質問に対する回答の結果を、全ての回答者へフィードバックすることを繰り返すことによって、集団の意見を集約する手法

解説

ソフトシステムズ方法論の説明はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ソフトシステムズ方法論は、異なる立場の人々の意見を七つのステージで合意形成し問題解決を図る手法です。
  • 根拠:この方法論は複雑で曖昧な社会的問題に対し、多様な視点を調整しながら進める特徴があります。
  • 差がつくポイント:単なるデータ収集や意見集約ではなく、段階的に合意形成を目指すプロセスである点を押さえましょう。

正解の理由

選択肢アは「様々な立場の人々の異なった考えを、七つのステージを経て合意形成を行い、問題を解決していく手法」とあり、これはソフトシステムズ方法論(Soft Systems Methodology, SSM)の本質を正確に表しています。SSMは社会的・組織的な問題に対し、関係者の多様な視点を整理し、合意形成を促進するための体系的なプロセスを持つため、アが正解です。

よくある誤解

ソフトシステムズ方法論は単なるアンケートや意見集約の手法ではなく、問題の構造化と合意形成を重視する点が誤解されやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「七つのステージ」「合意形成」「様々な立場の人々」に注目する。
  2. 選択肢の内容が社会的問題の解決プロセスかどうかを判断する。
  3. ソフトシステムズ方法論の特徴を思い出し、段階的な合意形成を含む説明を選ぶ。
  4. 他の選択肢が異なる手法(インタビュー、フィードバック、行動観察)であることを確認する。
  5. 最も適切な説明であるアを選択する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。七つのステージを経て合意形成を行う特徴がSSMの本質。
  • イ: 事前準備なしで質問を柔軟に変える手法は「半構造化インタビュー」などであり、SSMとは異なる。
  • ウ: 会話や身体動作を詳細に分析するのは「エスノグラフィー」や「行動観察法」で、SSMの説明ではない。
  • エ: 回答結果を全員にフィードバックし意見を集約するのは「デルファイ法」であり、SSMとは異なる。

補足コラム

ソフトシステムズ方法論はピーター・チェッカランドらによって提唱され、複雑な社会問題に対して「問題の問題」を明確化し、関係者間の理解を深めるための方法論です。七つのステージには問題状況の表現、根本的な定義、概念モデルの作成、比較検討、変更の提案などが含まれます。

FAQ

Q: ソフトシステムズ方法論はどのような問題に適していますか?
A: 技術的に明確でない社会的・組織的な複雑問題に適しており、多様な関係者の意見調整に有効です。
Q: 七つのステージとは何ですか?
A: 問題状況の調査、問題の定義、概念モデルの作成、比較検討、変更提案など、段階的に進めるプロセスのことです。

関連キーワード: ソフトシステムズ方法論, 合意形成, 社会的問題解決, SSM, ピーター・チェッカランド
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