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システムアーキテクト試験 2012年 午前2 問20
自律コンピューティングの説明はどれか。
ア:システム内の各コンピュータの役割は固定されず、状況に応じてサーバにもクライアントにもなる対等な関係のことである。
イ:従来は人手で対応してきたシステムの複雑さに起因する問題を、システムに自己管理機能を実装することによって、システムが自ら解決することを目指した技術のことである。(正解)
ウ:生活や社会のいたるところにコンピュータが存在し、コンピュータ同士が連携して動作することによって、人間の生活を支援する情報環境のことである。
エ:ネットワークに接続された各コンピュータ内の情報を探索して取得するために、オーバレイネットワークと呼ぶ仮想ネットワークを利用する技術のことである。
解説
自律コンピューティングの説明はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:自律コンピューティングとは、システムが自己管理機能を持ち、自ら問題を解決する技術です。
- 根拠:従来は人手で対応していた複雑なシステム運用を自動化し、効率化と安定性を高めることを目的としています。
- 差がつくポイント:単なる役割の変動やネットワーク技術ではなく、「自己管理・自己修復」という自律性の本質を理解することが重要です。
正解の理由
選択肢イは、自律コンピューティングの核心である「システムの自己管理機能」に言及しています。これは、システムが自ら監視・診断・修復を行い、運用の複雑さを軽減する技術であり、定義として最も正確です。
よくある誤解
自律コンピューティングを単に「役割が変わる分散システム」や「ネットワーク技術」と混同しがちですが、自己管理機能の有無が決定的な違いです。
解法ステップ
- 問題文の「自律コンピューティング」の意味を確認する。
- 各選択肢の説明が「自己管理機能」や「自律性」に合致しているかを検討する。
- 「人手で対応してきた複雑さをシステムが自ら解決する」という表現がある選択肢を特定する。
- それが選択肢イであることを確認し、正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア:役割が固定されずサーバ・クライアントを切り替えるのはピアツーピア(P2P)技術の説明であり、自律コンピューティングとは異なります。
- イ:正解。自己管理機能を持ち、システムが自ら問題を解決する技術の説明です。
- ウ:ユビキタスコンピューティングの説明で、生活環境にコンピュータが溶け込む概念であり、自律コンピューティングとは異なります。
- エ:オーバレイネットワークを利用した情報探索技術の説明であり、自律コンピューティングの定義とは異なります。
補足コラム
自律コンピューティングはIBMが提唱した概念で、システムの「自己設定(self-configuration)」「自己最適化(self-optimization)」「自己修復(self-healing)」「自己防御(self-protection)」の4つの主要機能を持つことが特徴です。これにより、運用コストの削減とシステムの信頼性向上が期待されます。
FAQ
Q: 自律コンピューティングはどのような問題を解決しますか?
A: システムの複雑化による運用負荷や障害対応の自動化を目指し、人手による管理の限界を克服します。
A: システムの複雑化による運用負荷や障害対応の自動化を目指し、人手による管理の限界を克服します。
Q: 自律コンピューティングと分散システムの違いは何ですか?
A: 分散システムは複数のコンピュータが連携する構造を指し、自律コンピューティングはその中で自己管理機能を持つシステムの特性を指します。
A: 分散システムは複数のコンピュータが連携する構造を指し、自律コンピューティングはその中で自己管理機能を持つシステムの特性を指します。
関連キーワード: 自律コンピューティング, 自己管理機能, 自己修復, システム運用自動化, IBM