システムアーキテクト試験 2013年午前2 問15

IT投資案件Xの投資効果をNPVで評価する場合の算出式はどれか。

ア：

-200 + \frac{100}{0.025} + \frac{90}{0.025^2} + \frac{80}{0.025^3} + \frac{60}{0.025^4} + \frac{50}{0.025^5}

イ：

-200 + \frac{100}{0.025^5} + \frac{90}{0.025^4} + \frac{80}{0.025^3} + \frac{60}{0.025^2} + \frac{50}{0.025}

ウ：

-200 + \frac{100}{1.025} + \frac{90}{1.025^2} + \frac{80}{1.025^3} + \frac{60}{1.025^4} + \frac{50}{1.025^5}

（正解）

エ：

-200 + \frac{100}{1.025^5} + \frac{90}{1.025^4} + \frac{80}{1.025^3} + \frac{60}{1.025^2} + \frac{50}{1.025}

解説

選択肢ウは、初期投資200をマイナスし、各年のキャッシュインを割引率2.5%（1.025）で年数分累乗した分母で割って現在価値に換算しています。NPVの定義に忠実であり、正しい計算式です。

割引率を単純に割り算の分母に使ったり、割引期間の指数を逆にしてしまうことが多いです。これによりNPVの値が大きく異なり、誤った投資判断につながります。

初期投資（年0のキャッシュアウト）をマイナスで表す。
各年のキャッシュインを確認し、年数 $t$ に応じて割引率 $(1+r)^t$ で割る。
割引率は $1 + 0.025 = 1.025$ とする。
各年の割引現在価値を合計する。
初期投資を差し引いた合計がNPVとなる。
式としてまとめると、 $NPV = -200 + \frac{100}{1.025} + \frac{90}{1.025^2} + \frac{80}{1.025^3} + \frac{60}{1.025^4} + \frac{50}{1.025^5}$

NPV（正味現在価値）は投資判断の基本指標で、将来のキャッシュフローを現在価値に換算し、初期投資を差し引いて評価します。割引率は資本コストや期待収益率を反映し、時間価値を考慮するために重要です。割引率の計算ミスは投資判断を誤らせるため、正確な理解が不可欠です。

Q: 割引率はなぜ

1 + r

の形で使うのですか？
A: 割引率

r

は利率を表し、

1 + r

で将来価値を現在価値に換算するための倍率となるからです。

Q: NPVが正の値なら投資は有利ですか？
A: はい、NPVが正なら投資による収益が割引率を上回っているため、投資は有利と判断されます。

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