システムアーキテクト試験 2013年 午前216


要求の分析に当たって、データとプロセス(データの作成,読取り、更新、削除)の対応関係を検証するものはどれか。
CRUDマトリックス(正解)
FURPS+モデル
KAOS法
MoSCoW分析

解説

要求の分析に当たって、データとプロセス(データの作成,読取り、更新、削除)の対応関係を検証するものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:データとプロセスの作成・読取り・更新・削除の関係を検証するのはCRUDマトリックスである。
  • 根拠:CRUDマトリックスは、各データ項目に対してどのプロセスがどの操作(Create, Read, Update, Delete)を行うかを明確にするための表である。
  • 差がつくポイント:FURPS+やKAOS法、MoSCoW分析は品質特性や要求の優先順位付けに使うため、データとプロセスの直接的な対応関係の検証には不適切である。

正解の理由

CRUDマトリックスは、システム分析や設計の段階で、データエンティティとそれに対する操作(作成、読取り、更新、削除)を一覧化し、どのプロセスがどのデータにどの操作を行うかを検証するためのツールです。これにより、データの整合性や操作漏れ、冗長な処理の有無をチェックできます。
他の選択肢は、要求の品質特性(FURPS+)、目標指向要求工学(KAOS法)、要求の優先順位付け(MoSCoW分析)に関するものであり、データとプロセスの操作対応の検証には用いません。

よくある誤解

CRUDマトリックスは単なる一覧表ではなく、データ操作の網羅性や整合性を検証するための重要な分析ツールです。
FURPS+やMoSCoW分析は要求の性質や優先順位付けに使うため、操作対応の検証とは目的が異なります。

解法ステップ

  1. 問題文の「データとプロセスの作成、読取り、更新、削除の対応関係を検証」とある点に注目する。
  2. CRUD(Create, Read, Update, Delete)の意味を理解し、データ操作の種類であることを確認する。
  3. 選択肢の用語の意味を整理し、CRUDマトリックスが該当することを判断する。
  4. 他の選択肢が品質特性や要求の優先順位付けに関するものであることを確認し、除外する。
  5. よって、正解はア: CRUDマトリックスと判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。データとプロセスのCRUD操作の対応関係を検証するための表。
  • イ: FURPS+モデルは機能性、使用性、信頼性などの品質特性を整理するモデルであり、操作対応の検証には使わない。
  • ウ: KAOS法は目標指向要求工学の手法で、要求の抽出や整理に用いるが、CRUD操作の対応関係検証には不適切。
  • エ: MoSCoW分析は要求の優先順位付け手法で、Must, Should, Could, Won'tの分類を行うため、操作対応の検証とは異なる。

補足コラム

CRUDマトリックスはシステム設計の初期段階で用いられ、データベース設計や業務プロセス分析にも役立ちます。
この表を活用することで、データの操作漏れや不整合を早期に発見し、品質の高いシステム設計が可能になります。
また、CRUDマトリックスはRACIチャート(責任分担表)と組み合わせて使われることもあります。

FAQ

Q: CRUDマトリックスはどのような場面で使いますか?
A: システムの要求分析や設計段階で、データとプロセスの操作関係を明確にし、漏れや重複を防ぐために使います。
Q: FURPS+モデルとCRUDマトリックスの違いは何ですか?
A: FURPS+は品質特性の分類モデルであり、CRUDマトリックスはデータ操作の対応関係を検証する表で、目的が異なります。

関連キーワード: CRUDマトリックス, 要求分析, データ操作, システム設計, 要求工学
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