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システムアーキテクト試験 2013年 午前2 問20
ページング方式の仮想記憶において、主記憶の1回のアクセス時間が300ナノ秒で、主記憶アクセス100万回に1回の割合でページフォールトが発生し、ページフォールト1回当たり200ミリ秒のオーバヘッドを伴うコンピュータがある。主記憶の平均アクセス時間を短縮させる改善策を、効果の高い順に並べたものはどれか。
〔改善策〕
a 主記憶の1回のアクセス時間はそのままで、ページフォールト発生時の1回当たりのオーバヘッド時間をに短縮する。
b 主記憶の1回のアクセス時間をに短縮する。ただし、ページフォールトの発生率は1.2倍となる。
c 主記後の1回のアクセス時間をに短縮する。この場合、ページフォールトの発生率は変化しない。
ア:a, b, c
イ:a, c, b
ウ:b, a, c
エ:c, b, a(正解)
解説
ページング方式の仮想記憶における平均アクセス時間短縮の改善策【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:改善策は「c, b, a」の順に効果が高い。アクセス時間短縮の影響が大きいため。
- 根拠:平均アクセス時間は主記憶アクセス時間とページフォールトオーバーヘッドの加重平均で決まる。
- 差がつくポイント:ページフォールト率の変化とアクセス時間短縮のバランスを正確に計算し比較することが重要。
正解の理由
選択肢cは主記憶アクセス時間を1/3に短縮し、ページフォールト率は変わらないため、平均アクセス時間が大幅に減少します。
選択肢bはアクセス時間を1/4に短縮するが、ページフォールト率が1.2倍に増加し、オーバーヘッドの影響が大きくなるため効果はcより低いです。
選択肢aはページフォールトオーバーヘッドを1/5に短縮するが、発生率が変わらないため、全体の平均アクセス時間短縮効果は最も小さいです。
これらの計算結果から「c, b, a」の順が最も効果的と判断されます。
選択肢bはアクセス時間を1/4に短縮するが、ページフォールト率が1.2倍に増加し、オーバーヘッドの影響が大きくなるため効果はcより低いです。
選択肢aはページフォールトオーバーヘッドを1/5に短縮するが、発生率が変わらないため、全体の平均アクセス時間短縮効果は最も小さいです。
これらの計算結果から「c, b, a」の順が最も効果的と判断されます。
よくある誤解
ページフォールトオーバーヘッドの短縮だけが最も効果的と考えがちですが、主記憶アクセス時間の短縮が全体の平均アクセス時間に与える影響はより大きいです。
解法ステップ
- 平均アクセス時間の式を確認する。
- 各改善策の主記憶アクセス時間とページフォールト率、オーバーヘッドを代入して平均アクセス時間を計算。
- 計算結果を比較し、短縮効果の高い順に並べる。
- ページフォールト率の増減が平均アクセス時間に与える影響を考慮する。
選択肢別の誤答解説
- ア(a, b, c):ページフォールトオーバーヘッド短縮を最優先とし、アクセス時間短縮の効果を過小評価している。
- イ(a, c, b):aを最優先にしている点が誤り。cのアクセス時間短縮効果を軽視している。
- ウ(b, a, c):bを最優先にしているが、ページフォールト率増加の影響を過小評価している。
- エ(c, b, a):主記憶アクセス時間短縮の効果を正しく評価し、ページフォールト率の変化も考慮しているため正解。
補足コラム
ページング方式の仮想記憶における平均アクセス時間は、主記憶アクセス時間とページフォールト発生率、ページフォールト処理時間の3要素で決まります。
ページフォールト率が低い場合は主記憶アクセス時間の短縮が効果的ですが、ページフォールト率が高い場合はオーバーヘッドの削減も重要です。
また、アクセス時間短縮がページフォールト率に影響を与える場合は、そのバランスを正確に評価する必要があります。
ページフォールト率が低い場合は主記憶アクセス時間の短縮が効果的ですが、ページフォールト率が高い場合はオーバーヘッドの削減も重要です。
また、アクセス時間短縮がページフォールト率に影響を与える場合は、そのバランスを正確に評価する必要があります。
FAQ
Q: ページフォールト率が増加すると平均アクセス時間は必ず悪化しますか?
A: 増加したページフォールト率がオーバーヘッドを大きくするため、通常は悪化しますが、アクセス時間短縮効果が大きければ改善する場合もあります。
A: 増加したページフォールト率がオーバーヘッドを大きくするため、通常は悪化しますが、アクセス時間短縮効果が大きければ改善する場合もあります。
Q: ページフォールトオーバーヘッドの短縮はどのように実現できますか?
A: ページフォールト処理の高速化やディスクI/Oの改善、キャッシュの活用などが一般的な手法です。
A: ページフォールト処理の高速化やディスクI/Oの改善、キャッシュの活用などが一般的な手法です。
Q: 主記憶アクセス時間の短縮はどのような技術で可能ですか?
A: 高速なメモリ技術の採用やメモリ階層の最適化、キャッシュメモリの増設などが挙げられます。
A: 高速なメモリ技術の採用やメモリ階層の最適化、キャッシュメモリの増設などが挙げられます。
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