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システムアーキテクト試験 2013年 午前2 問25
メインサイトには、業務サーバとストレージを設置しており、PCから業務サーバのデータを更新している。また、DR(Disaster Recovery)サイトには、メインサイトと同様の待機サーバとストレージを設置している。このとき、RPO(Recovery Point Objective)を最も短く設定できる対策はどれか。
ア:メインサイトの業務データは、DRサイトに同期レプリケーションを行う。(正解)
イ:メインサイトの業務データは、業務処理の行われない夜間にバッチ処理でDRサイトへ転送する。
ウ:メインサイトの業務データは、定期的にメインサイトでテープバックアップを行い、早期復旧できるように、テープをDRサイトで保管する。
エ:メインサイトの障害発生時に、PCからDRサイトの待機サーバに接続できる仕組みを用意する。
解説
RPO(Recovery Point Objective)を最も短く設定できる対策はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:RPOを最も短くするには、メインサイトの業務データをDRサイトに同期レプリケーションすることが最適です。
- 根拠:同期レプリケーションはデータ更新と同時に複製を行うため、データの損失を最小限に抑えられます。
- 差がつくポイント:バッチ転送やテープバックアップはタイムラグが生じるためRPOが長くなり、障害時の接続切替だけではRPO短縮に直結しません。
正解の理由
ア: メインサイトの業務データは、DRサイトに同期レプリケーションを行う。
同期レプリケーションは、データの書き込みが完了してからDRサイトにも同時に反映されるため、障害発生時のデータ損失をほぼゼロに抑えられます。これにより、RPOを最短に設定可能です。
同期レプリケーションは、データの書き込みが完了してからDRサイトにも同時に反映されるため、障害発生時のデータ損失をほぼゼロに抑えられます。これにより、RPOを最短に設定可能です。
よくある誤解
バッチ処理やテープバックアップはデータの移行に時間がかかるため、RPOが長くなることを理解せずに選択しがちです。
解法ステップ
- RPOの定義を確認する(復旧時点で許容できるデータ損失の最大時間)。
- 各選択肢のデータ転送方法を比較する。
- 同期レプリケーションはリアルタイムでデータ複製が行われることを理解する。
- バッチ処理やテープバックアップは時間差があるためRPOが長くなると判断する。
- 障害時の接続切替はRTO(復旧時間)に関係し、RPO短縮には直接影響しないと認識する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。同期レプリケーションでリアルタイムにデータ複製し、RPOを最短にできる。
- イ: バッチ処理は夜間にまとめて転送するため、最新データが反映されるまで時間がかかりRPOが長い。
- ウ: テープバックアップは物理的な媒体移動が必要で、復旧時点のデータが古くなるためRPOが長くなる。
- エ: 障害時の接続切替はRTO短縮に寄与するが、データ損失の許容時間(RPO)には影響しない。
補足コラム
RPO(Recovery Point Objective)は「どの時点までのデータ損失を許容できるか」を示す指標です。これに対し、RTO(Recovery Time Objective)は「復旧にかかる最大許容時間」を指します。DR対策では両者のバランスを考慮し、業務継続計画(BCP)を策定することが重要です。
FAQ
Q: 同期レプリケーションと非同期レプリケーションの違いは何ですか?
A: 同期レプリケーションはデータ書き込み時に即座に複製を完了させるためRPOが短いですが、非同期は遅延がありRPOが長くなります。
A: 同期レプリケーションはデータ書き込み時に即座に複製を完了させるためRPOが短いですが、非同期は遅延がありRPOが長くなります。
Q: RPOが短いとコストはどうなりますか?
A: 一般にRPOを短くするための同期レプリケーションは設備や通信コストが高くなる傾向があります。
A: 一般にRPOを短くするための同期レプリケーションは設備や通信コストが高くなる傾向があります。
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