システムアーキテクト試験 2014年 午前214


投資効果を現在価値法で評価するとき、最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオはどれか。ここで、期間は3年間、割引率は5%とし、各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
問題画像
A
B(正解)
C
投資をしない

解説

投資効果を現在価値法で評価する問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:最も投資効果が大きいのはシナリオBである。
  • 根拠:割引率5%で3年間のキャッシュフローを現在価値に割り引き、投資額との差額(正味現在価値)を計算した結果、シナリオBが最大となる。
  • 差がつくポイント:回収額のタイミングが早いほど現在価値が高くなるため、初年度の回収額が大きいシナリオBが有利になる。

正解の理由

シナリオBは初年度に120万円の回収があり、これが最も早い回収であるため、割引率5%で現在価値を計算すると他のシナリオよりも高い正味現在価値(NPV)となります。投資額はすべて220万円で同じなので、回収のタイミングが投資効果の差を生みます。したがって、イ(シナリオB)が最も投資効果が大きい選択肢です。

よくある誤解

回収額の合計が同じなら投資効果も同じと考えがちですが、割引率を考慮すると回収の早さが重要です。遅い回収は価値が下がるため注意が必要です。

解法ステップ

  1. 各シナリオのキャッシュフローを確認する。
  2. 割引率5%を用いて、各年の回収額を現在価値に割り引く。
  3. 割引現在価値の合計から投資額を差し引き、正味現在価値(NPV)を算出する。
  4. NPVが最も大きいシナリオを選ぶ。
  5. 投資をしない場合のNPVは0なので、これより大きいかも確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア(シナリオA):回収額は後半に偏っており、割引率を考慮すると現在価値は低くなる。
  • イ(シナリオB):初年度に大きな回収があり、割引率の影響が小さいためNPVが最大。
  • ウ(シナリオC):回収額は均等だが、初年度の回収がシナリオBより小さいためNPVは劣る。
  • エ(投資をしない):投資額も回収も0なのでNPVは0。投資効果はない。

補足コラム

現在価値法は将来のキャッシュフローを一定の割引率で現在の価値に換算し、投資の採算性を評価する代表的な手法です。割引率は資本コストやリスクを反映し、回収の早さが投資効果に大きく影響します。NPVが正の投資は価値を生むと判断されます。

FAQ

Q: なぜ回収額の合計ではなく現在価値で評価するのですか?
A: 将来の金額は時間の経過で価値が減少するため、割引率を使って現在の価値に換算し比較する必要があるからです。
Q: 割引率が高いとどうなりますか?
A: 割引率が高いほど将来の回収額の現在価値は小さくなり、早期回収の重要性が増します。

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