システムアーキテクト試験 2014年 午前221


階層構造をもつ組織と社員の所属を表すUMLのクラス図のうち、“社員は組織階層中のどの組織にも所属できるが、兼務はしない”とするものはどれか。
選択肢画像
(正解)

解説

階層構造をもつ組織と社員の所属を表すUMLのクラス図のうち、“社員は組織階層中のどの組織にも所属できるが、兼務はしない”とするものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:社員は組織階層中の「末端組織」にのみ所属し、多重度「1」で兼務しないことを示す図はエである。
  • 根拠:社員の所属先が「末端組織」に限定され、社員側の多重度が「*」で複数社員を許容しつつ、末端組織側は「1」で兼務不可を表現している。
  • 差がつくポイント:組織の階層構造を自己関連で表し、社員の所属先を「末端組織」に限定しているかどうかを正確に読み取ることが重要である。

正解の理由

選択肢エは、組織の階層構造を自己関連(上位・下位)で表現し、社員の所属先を「末端組織」に限定しています。社員側の多重度は「*」で複数社員を許容しつつ、末端組織側の多重度が「1」となっているため、社員は必ずどこかの末端組織に所属し、兼務(複数の組織に所属)しないことを正しく表現しています。これが問題文の条件に合致するため正解です。

よくある誤解

社員の所属先を「組織」全体にしてしまうと兼務を許す形になり、条件に反します。多重度の読み違いで兼務の有無を誤解しやすい点に注意が必要です。

解法ステップ

  1. 問題文の条件「社員は組織階層中のどの組織にも所属できるが、兼務はしない」を正確に理解する。
  2. UMLの多重度を確認し、社員が複数組織に所属できるか(多重度「*」が社員側か組織側か)を判断する。
  3. 組織の階層構造が自己関連で表現されているかを確認し、上位・下位の関係を把握する。
  4. 社員の所属先が「組織」全体か「末端組織」に限定されているかを見極める。
  5. 以上の条件を満たす選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:社員の所属先が「末端組織」になっているが、組織の階層構造の自己関連がなく、兼務の制約が不明確。
  • イ:「組織」と「社員」の関連で社員側多重度が「1」となっているが、組織側が「*」で兼務を許す形になっている。
  • ウ:「組織」と「社員」の関連が一本のみで、社員の所属先が組織全体となり兼務を許す可能性がある。
  • エ:組織の階層を自己関連で表し、社員の所属先を「末端組織」に限定、多重度も兼務不可を示しているため正解。

補足コラム

UMLの多重度は関連の端点ごとに設定され、所属関係の制約を表現します。自己関連は階層構造を表す際に有効で、上位・下位の関係を明示的に示せます。社員の兼務禁止は多重度「1」で表現し、複数所属を防ぎます。

FAQ

Q: UMLの多重度「1」と「」は何を意味しますか?
A: 「1」は必ず1つの関連先が存在すること、「
」は0個以上の複数の関連先が存在可能であることを示します。
Q: なぜ社員の所属先を「末端組織」に限定する必要があるのですか?
A: 組織階層の中で社員が兼務せずに一つの組織にのみ所属することを表現するため、末端組織に限定することで明確に兼務禁止を示します。

関連キーワード: UML, クラス図, 多重度, 組織階層, 所属関係, 自己関連, 兼務禁止
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