システムアーキテクト試験 2014年 午前222


データベースに媒体障害が発生したときの回復法はどれか。
障害発生時、異常終了したトランザクションをロールバックする。
障害発生時点でコミットしていたがデータベースの実更新がされていないトランザクションをロールフォワードする。
障害発生時点でまだコミットもアボートもしていなかった全てのトランザクションをロールバックする。
バックアップコピーでデータベースを復元し、バックアップ取得以降にコミットした全てのトランザクションをロールフォワードする。(正解)

解説

データベースに媒体障害が発生したときの回復法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:媒体障害時はバックアップから復元し、コミット済みトランザクションをロールフォワードで反映するのが正しい回復法です。
  • 根拠:媒体障害は記憶装置の物理的故障であり、データベース全体の復元が必要で、ログを使ったロールフォワードで最新状態に戻します。
  • 差がつくポイント:ロールバックは未完了トランザクションの処理であり、媒体障害の回復にはバックアップ復元+ロールフォワードが必須と理解することです。

正解の理由

選択肢エは、媒体障害発生時にまずバックアップコピーからデータベースを復元し、その後バックアップ取得以降にコミットされた全てのトランザクションをログを用いてロールフォワードする手順を示しています。
媒体障害は記憶装置の故障でデータが消失または破損しているため、単なるトランザクションのロールバックやロールフォワードだけでは回復できません。
バックアップからの復元が必須であり、その後にログを使ってコミット済みの変更を反映させることで、データベースの一貫性と最新状態を確保します。

よくある誤解

ロールバックは障害時の回復手段と誤解されがちですが、実際は未完了トランザクションの取り消しに使います。
媒体障害ではバックアップ復元が不可欠で、ロールフォワードは復元後の更新反映に用います。

解法ステップ

  1. 媒体障害の定義を確認し、記憶装置の物理的故障であることを理解する。
  2. 物理的故障の場合、データベース全体の復元が必要であることを認識する。
  3. バックアップコピーからデータベースを復元する手順が必須であると判断する。
  4. バックアップ以降にコミットされたトランザクションの変更をログからロールフォワードで反映することを確認する。
  5. ロールバックは未完了トランザクションの処理であり、媒体障害の回復には直接関係しないと理解する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 障害発生時の異常終了トランザクションのロールバックは部分的な処理であり、媒体障害の全体復旧には不十分です。
  • イ: コミット済みだが実更新されていないトランザクションのロールフォワードは一部の処理ですが、バックアップ復元が抜けています。
  • ウ: 未コミットトランザクションのロールバックは正常なトランザクション管理の一環であり、媒体障害の回復手順ではありません。
  • エ: バックアップ復元+コミット済みトランザクションのロールフォワードで媒体障害からの完全回復が可能です。

補足コラム

媒体障害はハードディスクの故障や記憶装置の破損など物理的な障害を指し、論理障害(データの不整合や誤操作)とは区別されます。
媒体障害回復では、定期的なバックアップとトランザクションログの管理が重要で、これらを組み合わせてデータベースの整合性を保ちます。
ロールフォワードはログに記録されたコミット済みの変更を順に適用し、バックアップ時点から最新状態に戻す技術です。

FAQ

Q: ロールバックとロールフォワードの違いは何ですか?
A: ロールバックは未完了トランザクションの変更を取り消す処理で、ロールフォワードはログを使ってコミット済みの変更を再適用する処理です。
Q: 媒体障害が発生した場合、なぜバックアップからの復元が必要ですか?
A: 媒体障害は物理的な記憶装置の故障でデータが失われるため、バックアップがなければ元の状態に戻せないからです。
Q: ロールフォワードはどのような場合に使いますか?
A: バックアップ復元後、バックアップ取得以降にコミットされたトランザクションの変更を反映させるために使います。

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