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システムアーキテクト試験 2015年 午前2 問08
ブラックボックステストにおけるテストケースの設計に関する記述として、適切なものはどれか。
イ:実データのうち使用頻度が高いものを重点的に抽出して、テストケースを設計する。
エ:プログラムの全命令が少なくとも1回は実行されるように、テストケースを設計する
ウ:プログラムがどのような機能を果たすのかを仕様書で調べて、テストケースを設計する。(正解)
ア:実データからテストデータを無作為に抽出して、テストケースを設計する。
解説
ブラックボックステストにおけるテストケースの設計に関する記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ブラックボックステストは仕様書を基に機能を検証するため、テストケース設計は仕様書の内容から行うのが適切です。
- 根拠:ブラックボックステストは内部構造を考慮せず、外部から見た動作や機能の正しさを確認する手法だからです。
- 差がつくポイント:内部構造に依存する設計(コードカバレッジ重視など)はホワイトボックステストの特徴であり、混同しないことが重要です。
正解の理由
選択肢ウは「プログラムがどのような機能を果たすのかを仕様書で調べて、テストケースを設計する」とあります。ブラックボックステストはプログラムの内部構造を無視し、仕様書や要求仕様に基づいてテストケースを作成します。これにより、ユーザー視点で機能が正しく動作しているかを検証できるため、最も適切な記述です。
よくある誤解
ブラックボックステストでコードの命令網羅を目指すのは誤りです。内部構造を無視するため、コードカバレッジはホワイトボックステストの範囲です。
解法ステップ
- ブラックボックステストの定義を確認する(内部構造を考慮しないテスト)。
- 各選択肢がブラックボックステストの特徴に合致するかを検討する。
- 仕様書や要求仕様に基づく設計がブラックボックステストの基本であることを確認する。
- 内部命令の実行回数や実データの抽出はブラックボックステストの設計方法として不適切と判断する。
- 仕様書に基づくテストケース設計を示す選択肢を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 実データから無作為に抽出するのはテストデータの収集方法であり、ブラックボックステストの設計方法としては不十分です。
- イ: 使用頻度の高いデータを重点的に抽出するのは効率的ですが、仕様に基づく網羅的な設計とは異なります。
- ウ: 仕様書を基に機能を調べてテストケースを設計するため、ブラックボックステストの本質に合致しています。
- エ: 全命令の実行はコードの内部構造を意識したホワイトボックステストの設計方法であり、ブラックボックステストには該当しません。
補足コラム
ブラックボックステストは「機能テスト」とも呼ばれ、ユーザーの視点でソフトウェアの動作を検証します。代表的な設計技法には同値クラステストや境界値分析があります。一方、ホワイトボックステストはコードの内部構造を理解し、命令網羅や分岐網羅を目指すため、テスト設計のアプローチが異なります。
FAQ
Q: ブラックボックステストで重要な設計技法は何ですか?
A: 同値クラステストや境界値分析が代表的で、仕様に基づき入力条件を分類してテストケースを作成します。
A: 同値クラステストや境界値分析が代表的で、仕様に基づき入力条件を分類してテストケースを作成します。
Q: ホワイトボックステストとブラックボックステストの違いは?
A: ホワイトボックステストは内部構造を考慮しコードの網羅性を重視、ブラックボックステストは仕様に基づき機能の正しさを検証します。
A: ホワイトボックステストは内部構造を考慮しコードの網羅性を重視、ブラックボックステストは仕様に基づき機能の正しさを検証します。
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