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システムアーキテクト試験 2015年 午前2 問10
学生レコードを処理するプログラムをテストするために、実験計画法を用いてテストケースを決定する。学生レコード中のデータ項目(学生番号、科目コード,得点)は二つの状態をとる。テスト対象のデータ項目から任意に二つのデータ項目を選び、二つのデータ項目がとる状態の全ての組合せが必ず同一回数ずつ存在するように基準を設けた場合に、次の8件のテストケースの候補から、最少で幾つを採択すればよいか。

イ:3
ア:2
エ:6
ウ:4(正解)
解説
学生レコードのテストケース選択問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:二つのデータ項目の全組合せが均等に現れるようにするには、最少で4件のテストケースが必要です。
- 根拠:3つのデータ項目から任意の2つを選び、それぞれ2状態ずつの組合せを均等にカバーするため、各ペアの4通りを同数含む必要があります。
- 差がつくポイント:実験計画法の「直交配列表」や「組合せテスト」の考え方を理解し、全ペアの状態を均等にカバーする最小ケース数を正確に導くことが重要です。
正解の理由
本問題は3つのデータ項目(学生番号、科目コード、得点)がそれぞれ2状態を持ち、任意の2項目の状態の全組合せ(2×2=4通り)を同一回数ずつ含むテストケースの最小数を問うています。
3つの項目から2つを選ぶペアは3通り(学生番号-科目コード、学生番号-得点、科目コード-得点)あり、それぞれ4通りの組合せを均等に含む必要があります。
この条件を満たす最小のテストケース数は4件であり、選択肢の中ではウが正解です。
3つの項目から2つを選ぶペアは3通り(学生番号-科目コード、学生番号-得点、科目コード-得点)あり、それぞれ4通りの組合せを均等に含む必要があります。
この条件を満たす最小のテストケース数は4件であり、選択肢の中ではウが正解です。
よくある誤解
「全ての組合せを含めるには8件必要」と考えがちですが、実際はペアごとに均等にカバーできれば最小件数は4件で十分です。
また、単純に全状態の全組合せ()を全て使う必要はありません。
また、単純に全状態の全組合せ()を全て使う必要はありません。
解法ステップ
- データ項目3つから2つを選ぶペア数を確認(3通り)。
- 各ペアの状態組合せは2×2=4通りであることを理解。
- 全ペアの4通りの組合せを同一回数ずつ含む必要があるため、テストケース数は4の倍数。
- 8件全てを使う必要はなく、最小の4件で条件を満たす直交配列表が存在することを知る。
- 選択肢の中から4件(ウ)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 2件ではペアの4通りを均等にカバーできず不十分です。
- イ: 3件も同様に4通りを均等に含めないため不適切です。
- ウ: 4件は全ペアの状態組合せを均等にカバーできる最小数で正解です。
- エ: 6件は条件を満たしますが最小ではなく、無駄に多い選択肢です。
補足コラム
この問題は「直交配列表(Orthogonal Array)」や「組合せテスト(Pairwise Testing)」の基本概念に基づいています。
直交配列表は複数の因子(データ項目)と水準(状態)を組み合わせ、全てのペアの組合せを均等にカバーするテスト設計手法です。
実務でもテストケースの削減と網羅性の両立に役立ちます。
直交配列表は複数の因子(データ項目)と水準(状態)を組み合わせ、全てのペアの組合せを均等にカバーするテスト設計手法です。
実務でもテストケースの削減と網羅性の両立に役立ちます。
FAQ
Q: なぜ全ての8件を使わなくてよいのですか?
A: 8件は全状態の全組合せですが、ペアごとの組合せを均等にカバーするだけなら4件で十分だからです。
A: 8件は全状態の全組合せですが、ペアごとの組合せを均等にカバーするだけなら4件で十分だからです。
Q: 直交配列表とは何ですか?
A: 複数因子の水準組合せを均等にカバーする表で、テストケース設計に用いられます。
A: 複数因子の水準組合せを均等にカバーする表で、テストケース設計に用いられます。
Q: ペアワイズテストと直交配列表の違いは?
A: ペアワイズテストは全ペアの組合せを網羅するテスト設計手法で、直交配列表はその実現手段の一つです。
A: ペアワイズテストは全ペアの組合せを網羅するテスト設計手法で、直交配列表はその実現手段の一つです。
関連キーワード: 実験計画法, 直交配列表, 組合せテスト, ペアワイズテスト, テストケース設計