システムアーキテクト試験 2015年 午前216


システム開発におけるベンダとの契約方法のうち、実費償本型契約はどれか。
委託業務の進行中に発生するリスクはベンダが負い、発注者は注文時に合意した価格を支払う。
注文時に、目標とするコスト、利益、利益配分率、上限額を合意し、目標コストと実際に発生したコストの差異に基づいて利益を配分する。
ベンダの役務や技術に対する報酬に加え、委託業務の遂行に要した費用の全てをベンダに支払う。(正解)
契約期間が長期にわたる場合などで、インフレ率や特定の商品コストの変化に応じて、あらかじめ取り決められた契約金額を調整する。

解説

システム開発におけるベンダとの契約方法のうち、実費償本型契約はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:実費償本型契約は、ベンダがかかった実費を全額請求し、報酬を別途支払う契約形態です。
  • 根拠:この契約は費用の透明性が高く、発注者が実際のコストを負担するため、リスク分担が明確です。
  • 差がつくポイント:契約形態の特徴を理解し、リスク負担や費用負担の違いを正確に把握することが重要です。

正解の理由

選択肢エは「ベンダの役務や技術に対する報酬に加え、委託業務の遂行に要した費用の全てをベンダに支払う」とあります。これは実費償本型契約の定義そのもので、ベンダがかかった実費を全額償還し、さらに報酬を支払う形態です。発注者は実際の費用を負担するため、コストの透明性が高く、契約リスクが発注者側にあることが特徴です。

よくある誤解

実費償本型契約は「固定価格契約」と混同されやすいですが、固定価格契約はリスクをベンダが負うため、費用負担の仕組みが異なります。

解法ステップ

  1. 契約形態の基本的な特徴を確認する。
  2. 実費償本型契約は「実費を全額支払う」ことを理解する。
  3. 選択肢の文言から「実費+報酬」の形態を探す。
  4. 他の選択肢と比較し、リスク負担や価格調整の有無を確認する。
  5. 実費償本型契約に該当する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:固定価格契約の説明で、ベンダがリスクを負い価格は固定。実費償本型ではない。
  • イ:価格調整契約の説明で、インフレやコスト変動に対応する契約形態。実費償本型とは異なる。
  • ウ:目標コスト契約の説明で、コスト差異に基づく利益配分が特徴。実費償本型ではない。
  • :実費償本型契約の正しい説明。実費を全額支払い、報酬も別途支払う形態。

補足コラム

実費償本型契約は、プロジェクトのコストが不確定な場合や、発注者がコスト管理を重視する場合に適しています。一方で、コスト超過リスクは発注者が負うため、予算管理が重要です。固定価格契約はリスクをベンダが負うため、コスト管理の負担が異なります。

FAQ

Q: 実費償本型契約はどんな場合に適していますか?
A: コストが不確定で詳細見積が困難な場合や、発注者がコスト透明性を重視する場合に適しています。
Q: 実費償本型契約と固定価格契約の最大の違いは何ですか?
A: 実費償本型は実費を全額支払うためリスクは発注者が負い、固定価格契約は価格が固定されリスクはベンダが負います。

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