システムアーキテクト試験 2015年 午前222


CSMA/CAやCSMA/CDのLANの制御に共通しているCSMA方式に関する記述として、適切なものはどれか。
キャリア信号を検出し、データの送信を制御する。(正解)
送信権をもつメッセージ(トークン)を得た端末がデータを送信する。
データ送信中に衝突が起こった場合は、直ちに再送を行う。
伝送路が使用中でもデータの送信はできる。

解説

CSMA/CAやCSMA/CDのLANの制御に共通しているCSMA方式に関する記述【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:CSMA方式はキャリア信号を検出してデータ送信のタイミングを制御する方式です。
  • 根拠:CSMAは「Carrier Sense Multiple Access」の略で、送信前にキャリア(信号)を感知し、衝突を避ける仕組みを持ちます。
  • 差がつくポイント:トークン方式や衝突検出・回避の違いを理解し、CSMAの基本動作を正確に把握することが重要です。

正解の理由

選択肢ア「キャリア信号を検出し、データの送信を制御する。」が正解です。CSMAは送信前に伝送路のキャリア信号を検出し、他の端末が通信中であれば送信を控えます。これにより衝突の発生を減らすことができます。CSMA/CA(Collision Avoidance)やCSMA/CD(Collision Detection)はこの基本原理を共有しつつ、衝突回避や検出の方法が異なります。

よくある誤解

CSMAはトークン方式のように送信権を順番に回す方式ではありません。また、衝突が起きたら即座に再送するのではなく、ランダムな待ち時間を設けて再送を試みます。

解法ステップ

  1. CSMAの略称「Carrier Sense Multiple Access」の意味を確認する。
  2. 「Carrier Sense」が示す「キャリア信号の検出」に注目する。
  3. 選択肢の内容がキャリア信号検出に合致しているかを判断する。
  4. トークン方式や衝突検出・回避の特徴と比較し、誤った選択肢を除外する。
  5. 最も基本的なCSMAの動作を表す選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: キャリア信号を検出し、データの送信を制御する。
    → CSMAの基本原理を正確に表しており正解。
  • イ: 送信権をもつメッセージ(トークン)を得た端末がデータを送信する。
    → トークンパッシング方式の説明であり、CSMAとは異なる。
  • ウ: データ送信中に衝突が起こった場合は、直ちに再送を行う。
    → CSMA/CDでは衝突検出後にジャム信号を送信し、ランダムな待ち時間後に再送するため誤り。
  • エ: 伝送路が使用中でもデータの送信はできる。
    → CSMAはキャリア検出で伝送路の使用状況を確認し、使用中は送信を控えるため誤り。

補足コラム

CSMA方式はイーサネットなどのLANで広く使われています。CSMA/CDは有線LANで衝突検出を行い、CSMA/CAは無線LANで衝突回避を目的としています。無線環境では衝突検出が難しいため、CSMA/CAが採用されています。

FAQ

Q: CSMAとトークンパッシング方式の違いは何ですか?
A: CSMAは伝送路のキャリア信号を検出して送信を制御する方式で、トークンパッシングは送信権を持つトークンを順番に回す方式です。
Q: CSMA/CDで衝突が起きたらどうなりますか?
A: 衝突を検出するとジャム信号を送信し、ランダムな時間待ってから再送を試みます。

関連キーワード: CSMA, CSMA/CD, CSMA/CA, LAN制御, 衝突回避, トークンパッシング, キャリア検出
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ