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システムアーキテクト試験 2016年 午前2 問05
論理データモデル作成におけるトップダウンアプローチ、ボトムアップアプローチに関する記述のうち、適切なものはどれか。
エ:ボトムアップアプローチは現状業務の分析に限定して用いるものであり、新規システムの設計ではトップダウンアプローチを使用しなければならない。
イ:トップダウンアプローチでもボトムアップアプローチでも、最終的な論理データモデルは正規化され、かつ、業務上の属性は全て備えていなければならない。(正解)
ア:トップダウンアプローチでは、新規システムの利用者要求だけに基づいて論理データモデルを作成するので、現状業務の分析は行えない。
ウ:トップダウンアプローチでもボトムアップアプローチでも、利用者が使用する現状の画面や帳票を素材として分析を行うのは同じである。
解説
論理データモデル作成におけるトップダウンアプローチ、ボトムアップアプローチの違い【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:トップダウン・ボトムアップ両アプローチとも、論理データモデルは正規化され業務属性を網羅する必要がある。
- 根拠:論理データモデルは業務要件を正確に反映し、データの整合性を保つため正規化が必須であるため。
- 差がつくポイント:両アプローチの分析起点や手法の違いを理解し、誤った限定的な説明に惑わされないことが重要。
正解の理由
選択肢イは、トップダウン・ボトムアップのどちらのアプローチでも、最終的に作成される論理データモデルは正規化されていること、そして業務上必要な属性をすべて含むことが求められると正しく述べています。論理データモデルはシステムの基盤となるため、データの重複や矛盾を防ぐ正規化と、業務要件を反映した属性の網羅が不可欠です。したがって、イが正解です。
よくある誤解
トップダウンは新規要求のみ、ボトムアップは現状分析のみと誤解されがちですが、実際は両者とも業務全体を考慮しながらモデル化を進めます。
また、現状の画面や帳票を分析素材とするのは主にボトムアップであり、トップダウンとは異なります。
また、現状の画面や帳票を分析素材とするのは主にボトムアップであり、トップダウンとは異なります。
解法ステップ
- トップダウンアプローチの特徴を確認する(業務全体の要求から設計を進める)。
- ボトムアップアプローチの特徴を確認する(現状のデータや画面から分析を始める)。
- 論理データモデルの要件(正規化と業務属性の網羅)を理解する。
- 各選択肢がこれらのポイントに合致しているかを検証する。
- 正しい説明をしている選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:トップダウンは新規要求を重視しますが、現状業務の分析も行い全体像を把握します。現状分析を全く行わないのは誤りです。
- イ:正解。両アプローチで正規化と業務属性の網羅が必要と正しく述べています。
- ウ:現状の画面や帳票を分析素材とするのは主にボトムアップであり、トップダウンでは業務要求や方針から設計を進めるため異なります。
- エ:ボトムアップは現状業務分析に強みがありますが、新規設計でも活用可能であり、トップダウンのみを使う必要はありません。
補足コラム
論理データモデル作成におけるトップダウンアプローチは、業務全体の要求や方針から抽象的に設計を進めるため、将来の拡張性や整合性を重視します。一方、ボトムアップアプローチは現状のデータ構造や画面、帳票を詳細に分析し、実態に即したモデルを作成します。両者を組み合わせることで、より精度の高い論理データモデルが完成します。
FAQ
Q: トップダウンアプローチでは現状業務分析は全く行わないのですか?
A: いいえ、トップダウンでも現状業務の理解は重要ですが、主に新規要求や業務方針を起点に設計を進めます。
A: いいえ、トップダウンでも現状業務の理解は重要ですが、主に新規要求や業務方針を起点に設計を進めます。
Q: 論理データモデルの正規化はなぜ必要ですか?
A: データの重複や矛盾を防ぎ、整合性を保つために正規化は不可欠です。
A: データの重複や矛盾を防ぎ、整合性を保つために正規化は不可欠です。
Q: ボトムアップアプローチは新規システム設計に使えますか?
A: はい、現状の業務やデータを詳細に分析することで、新規設計にも役立ちます。
A: はい、現状の業務やデータを詳細に分析することで、新規設計にも役立ちます。
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