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システムアーキテクト試験 2016年 午前2 問06
図は、デマルコの提唱による構造化技法を基本としたシステム開発プロジェクトのライフサイクルを表現したものである。図中のaに入れる適切なプロセスはどれか。

イ:構造化設計(正解)
ウ:プログラム設計
エ:プロトタイピング
ア:機能設計
解説
デマルコの構造化技法に基づくシステム開発プロジェクトのライフサイクル【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:図中の「3 a」に入るプロセスは構造化設計である。
- 根拠:構造化分析で得られた仕様を基に、システムの構造を詳細に設計する段階が構造化設計であり、設計成果物が「構造化仕様書」から「パッケージ化した設計」へと変換される。
- 差がつくポイント:構造化設計は分析結果を具体的な設計に落とし込む工程であり、機能設計やプログラム設計と混同しないことが重要である。
正解の理由
「3 a」に入るプロセスは、構造化分析の結果を受けてシステムの構造を設計する段階であるため「構造化設計」が正解です。
構造化分析でユーザ要求を整理し、物理的要求やシステム構成データを得た後、それらを基にシステムのモジュール構成やデータフローを設計します。
この設計成果物は「パッケージ化した設計」と呼ばれ、システム開発(プログラミングやテスト)に引き継がれます。
また、テスト計画が設計段階に戻されることからも、設計の詳細化と検証準備が行われる段階であることがわかります。
構造化分析でユーザ要求を整理し、物理的要求やシステム構成データを得た後、それらを基にシステムのモジュール構成やデータフローを設計します。
この設計成果物は「パッケージ化した設計」と呼ばれ、システム開発(プログラミングやテスト)に引き継がれます。
また、テスト計画が設計段階に戻されることからも、設計の詳細化と検証準備が行われる段階であることがわかります。
よくある誤解
「機能設計」と「構造化設計」を混同しやすいですが、機能設計はより上流の要求定義に近い工程です。
また、「プログラム設計」はコーディングに直結する詳細設計であり、構造化設計とは異なります。
また、「プログラム設計」はコーディングに直結する詳細設計であり、構造化設計とは異なります。
解法ステップ
- 図の流れを確認し、「1 調査」→「2 構造化分析」→「3 a」→「5 システム開発」の順序を把握する。
- 「2 構造化分析」で得られた「構造化仕様書」が「3 a」に入力されていることを確認。
- 「3 a」から「パッケージ化した設計」が「5 システム開発」へ渡されることから、設計工程であると判断。
- 選択肢の中で「構造化設計」が分析結果を設計に落とし込む工程であることを理解し、正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 機能設計
要求を機能単位に分割する上流工程であり、構造化分析の後の詳細設計ではないため不適切。 - イ: 構造化設計
正解。構造化分析の結果を基にシステムの構造を設計し、設計成果物を作成する工程。 - ウ: プログラム設計
コーディングに向けた詳細設計であり、設計のさらに下流工程。図の位置には合わない。 - エ: プロトタイピング
試作モデルを作成してユーザと確認する手法であり、図の流れには該当しない。
補足コラム
デマルコの構造化技法は、システム開発を段階的に分割し、分析・設計・実装を明確に区別する手法です。
構造化分析は「何を作るか」を明確にし、構造化設計は「どう作るか」を決める工程であり、両者の役割を理解することが重要です。
この技法は後のオブジェクト指向設計やアジャイル開発とは異なるが、基礎的なシステム開発の理解に役立ちます。
構造化分析は「何を作るか」を明確にし、構造化設計は「どう作るか」を決める工程であり、両者の役割を理解することが重要です。
この技法は後のオブジェクト指向設計やアジャイル開発とは異なるが、基礎的なシステム開発の理解に役立ちます。
FAQ
Q: 構造化設計と機能設計の違いは何ですか?
A: 機能設計はシステムの機能を定義する上流工程で、構造化設計はその機能を実現するためのシステム構造を詳細に設計する工程です。
A: 機能設計はシステムの機能を定義する上流工程で、構造化設計はその機能を実現するためのシステム構造を詳細に設計する工程です。
Q: プログラム設計はどの段階で行いますか?
A: プログラム設計は構造化設計の後、実装に向けてモジュールの詳細設計を行う段階です。
A: プログラム設計は構造化設計の後、実装に向けてモジュールの詳細設計を行う段階です。
Q: プロトタイピングはどのような場合に用いられますか?
A: ユーザの要求が不明確な場合や、早期に動作モデルを確認したい場合に試作モデルを作成して検証します。
A: ユーザの要求が不明確な場合や、早期に動作モデルを確認したい場合に試作モデルを作成して検証します。
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