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システムアーキテクト試験 2016年 午前2 問08
JIS X 25010:2013におけるシステムの利用時の品質特性の一つである、効率性の説明はどれか。
ア:製品又はシステムが、経済状況、人間の生活又は環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い
イ:製品又はシステムが明示された利用状況において使用されるとき、利用者ニーズが満足される度合い
ウ:明示された目標を利用者が達成する上での正確さ及び完全さの度合い
エ:利用者が特定の目標を達成するための正確さ及び完全さに関連して、使用した資源の度合い(正解)
解説
JIS X 25010:2013における効率性の説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:効率性とは、利用者が目標を達成する際に使用した資源の度合いを指します。
- 根拠:JIS X 25010:2013では、効率性は「正確さ及び完全さに関連して使用した資源の度合い」と定義されています。
- 差がつくポイント:効率性は単なる機能の正確さではなく、目標達成に必要な資源(時間やコストなど)の最適利用に注目する点が重要です。
正解の理由
選択肢エは「利用者が特定の目標を達成するための正確さ及び完全さに関連して、使用した資源の度合い」とあり、効率性の定義に合致しています。効率性は単に機能が正しく動作するかではなく、目標達成に必要な資源の消費量を評価する品質特性です。これにより、システムのパフォーマンスや資源の最適利用が測られます。
よくある誤解
効率性を「機能の正確さ」や「利用者満足度」と混同しやすいですが、効率性は資源の使い方に焦点を当てた品質特性です。
解法ステップ
- 問題文の「効率性」の定義をJIS X 25010:2013の品質特性で確認する。
- 各選択肢の説明文を「資源の使用度合い」に注目して比較する。
- 「正確さ及び完全さに関連して使用した資源の度合い」と記述された選択肢を選ぶ。
- 他の選択肢が効率性以外の品質特性(安全性、満足度、機能適合性)に該当することを確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: リスク緩和の度合いは「安全性」に関する説明であり、効率性とは異なります。
- イ: 利用者ニーズの満足度は「使用性(ユーザビリティ)」に近い概念です。
- ウ: 目標達成の正確さ及び完全さは「機能適合性」に該当し、効率性とは異なります。
- エ: 利用者の目標達成に必要な資源の使用度合いを示し、効率性の定義に合致します。
補足コラム
JIS X 25010:2013はソフトウェア製品の品質特性を体系的に整理した国際標準規格です。効率性は「性能効率性(Performance efficiency)」とも呼ばれ、処理速度や資源消費の最適化を評価する重要な指標です。システム設計や評価時には、機能の正確さだけでなく効率性も考慮することで、より実用的な品質向上が可能になります。
FAQ
Q: 効率性と性能は同じ意味ですか?
A: 性能は効率性の一部であり、効率性は性能に加えて資源の使用度合いも含みます。
A: 性能は効率性の一部であり、効率性は性能に加えて資源の使用度合いも含みます。
Q: 効率性はユーザビリティとどう違いますか?
A: ユーザビリティは使いやすさや満足度を指し、効率性は目標達成に必要な資源の最適利用に焦点を当てます。
A: ユーザビリティは使いやすさや満足度を指し、効率性は目標達成に必要な資源の最適利用に焦点を当てます。
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