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システムアーキテクト試験 2016年 午前2 問10
ブラックボックステストのテストデータの作成方法のうち、最も適切なものはどれか。
イ:機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、テストデータを作成する。(正解)
ウ:業務で発生するデータの発生頻度を分析し、テストデータを作成する。
エ:プログラムの流れ図から、分岐条件に基づいたテストデータを作成する。
ア:稼働中のシステムから実データを無作為に抽出し、テストデータを作成する。
解説
ブラックボックステストのテストデータの作成方法【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ブラックボックステストでは、機能仕様から同値クラスや限界値を識別してテストデータを作成するのが最も適切です。
- 根拠:ブラックボックステストは内部構造を考慮せず、仕様に基づく入力条件の網羅性を重視するため、同値クラスや限界値分析が効果的です。
- 差がつくポイント:仕様理解に基づくテスト設計ができるか、内部構造に依存しないテストデータ作成方法を選べるかが合否を分けます。
正解の理由
選択肢イは「機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、テストデータを作成する」とあります。ブラックボックステストはソフトウェアの内部構造を見ずに、仕様書や要件から入力条件を抽出してテストを行います。同値クラス分割や限界値分析は、仕様に基づく代表的なテスト設計技法であり、効率的かつ効果的にテストケースを作成できます。したがって、イが最も適切です。
よくある誤解
ブラックボックステストは内部構造を無視するため、プログラムの流れ図や実データの頻度分析に基づくテストデータ作成はホワイトボックステストや運用テストに近くなり誤りです。
解法ステップ
- ブラックボックステストの定義を確認する(内部構造を考慮しないテスト)。
- テストデータ作成方法の特徴を理解する(同値クラス・限界値分析は仕様ベース)。
- 各選択肢がブラックボックステストに適しているかを判断する。
- 機能仕様に基づく同値クラス・限界値分析を選択肢から選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 実データを無作為抽出するのは運用テストや実データ検証であり、仕様に基づく網羅的なテストとは言えません。
- イ: 機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、仕様ベースで効率的にテストデータを作成するため正解。
- ウ: 発生頻度分析はテストの優先順位付けには有効ですが、ブラックボックステストの基本的なテストデータ作成方法ではありません。
- エ: プログラムの流れ図や分岐条件はホワイトボックステストの手法であり、ブラックボックステストには適しません。
補足コラム
ブラックボックステストは「仕様ベーステスト」とも呼ばれ、ユーザー視点での動作検証に重点を置きます。代表的な技法には同値クラス分割、限界値分析、状態遷移テストなどがあります。一方、ホワイトボックステストはコードの分岐や条件を基にテストケースを設計します。両者を適切に使い分けることが品質向上に不可欠です。
FAQ
Q: 同値クラス分割とは何ですか?
A: 入力データを同じ動作をするグループ(クラス)に分け、代表値だけをテストすることで効率的に網羅性を確保する技法です。
A: 入力データを同じ動作をするグループ(クラス)に分け、代表値だけをテストすることで効率的に網羅性を確保する技法です。
Q: 限界値分析はなぜ重要ですか?
A: バグは境界付近で発生しやすいため、入力の最小値・最大値やその直前後を重点的にテストすることで不具合検出率が高まります。
A: バグは境界付近で発生しやすいため、入力の最小値・最大値やその直前後を重点的にテストすることで不具合検出率が高まります。
Q: ブラックボックステストで実データを使うのはなぜ良くないのですか?
A: 実データは偏りや抜けがあるため、仕様に基づく網羅的なテストケース設計には不向きで、テストの網羅性が保証されません。
A: 実データは偏りや抜けがあるため、仕様に基づく網羅的なテストケース設計には不向きで、テストの網羅性が保証されません。
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