システムアーキテクト試験 2016年 午前216


“情報システム・モデル取引・契約書”によれば、ユーザ(取得者)とベンダ(供給者)間で請負型の契約が適切であるとされるフェーズはどれか。
問題画像
システム化計画フェーズから導入・受入支援フェーズまで
要件定義フェーズからシステム結合フェーズまで
システム内部設計フェーズからシステム結合フェーズまで(正解)
要件定義フェーズから導入・受入支援フェーズまで

解説

“情報システム・モデル取引・契約書”によれば、ユーザ(取得者)とベンダ(供給者)間で請負型の契約が適切であるとされるフェーズはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:請負型契約は「システム外部設計からシステム結合まで」のフェーズで適用される。
  • 根拠:この期間は成果物が明確で、仕様に基づく開発作業が主体となるため請負契約に適している。
  • 差がつくポイント:契約形態の特徴と工程フェーズの成果物の関係を理解し、請負契約の適用範囲を正確に把握すること。

正解の理由

請負型契約は、成果物の完成を目的とし、仕様に基づいて作業を遂行する契約形態です。
「システム外部設計」から「システム結合」までのフェーズは、設計仕様に基づき具体的なシステム構築が行われるため、成果物が明確で請負契約に適しています。
それに対し、計画や要件定義などの上流工程は成果物が抽象的で変動しやすいため、請負契約よりも準委任契約が適する場合が多いです。
したがって、選択肢の中で「エ」が正解となります。

よくある誤解

請負契約はすべての開発工程に適用できると誤解しやすいですが、要件定義や計画段階では成果物が不確定なため適しません。

解法ステップ

  1. 請負契約の特徴を確認する(成果物完成が目的で仕様に基づく)。
  2. 各工程フェーズの役割と成果物の明確さを理解する。
  3. 請負契約に適したフェーズを特定する(設計から結合までの具体的作業)。
  4. 選択肢の工程範囲と照合し、最も適切なものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:システム化計画から導入・受入支援までの広範囲は、請負契約には不向き。計画段階は成果物が不確定。
  • イ:要件定義から導入・受入支援までの範囲も広すぎ、要件定義は請負契約に適さない。
  • ウ:要件定義からシステムテストまでだが、要件定義が含まれるため請負契約には不適切。
  • :システム外部設計からシステム結合までで、成果物が明確かつ仕様に基づくため請負契約に最適。

補足コラム

請負契約は「完成責任契約」とも呼ばれ、成果物の完成と納品が契約の目的です。
一方、準委任契約は作業の遂行を目的とし、成果物の完成保証はありません。
情報システム開発では、上流工程は準委任契約、下流工程は請負契約を使い分けることが多いです。

FAQ

Q: 請負契約と準委任契約の違いは何ですか?
A: 請負契約は成果物の完成を目的とし、完成責任があります。準委任契約は作業の遂行を目的とし、成果物の完成保証はありません。
Q: なぜ要件定義フェーズは請負契約に適さないのですか?
A: 要件定義は顧客の要求を明確化する段階であり、成果物が不確定で変動しやすいため、完成責任を負う請負契約には不向きです。

関連キーワード: 請負契約, システム開発工程, 契約形態, 成果物, システム外部設計, システム結合
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ