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システムアーキテクト試験 2016年 午前2 問20
グラフは、ある非修理系の製品の、時刻0から時刻tまでの間の累積故障率(全製品数を分母として、時刻0から時刻tまでに故障した製品数を分子とした割合)を表したものである。時刻O付近のグラフ形状からこの製品の故障率について読み取れるものはどれか。

ア:故障率は、0に近い値からしばらくの間は時間とともに増加する。(正解)
イ:故障率は、ある時刻まで一定で、その後時間とともに減少する。
ウ:故障率は、ある正の値から時間とともに減少し、限りなく0に近づく。
エ:故障率は、時刻によって変化することなく、ある正の定数のまま一定である。
解説
グラフから読み取る非修理系製品の故障率の特徴【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:故障率は時刻0付近で0に近く、時間経過とともに増加する傾向がある。
- 根拠:累積故障率のグラフが序盤で緩やかに上昇し、後に急激に増加するS字型を描いているため。
- 差がつくポイント:累積故障率の傾きが故障率の瞬間的な大きさを示すことを理解し、初期の傾きの小ささから故障率の低さを読み取る点。
正解の理由
選択肢アは、時刻0付近の累積故障率のグラフがほぼ水平に近い緩やかな上昇から始まることを正しく解釈しています。累積故障率の傾きは瞬間的な故障率を表すため、序盤の緩やかな傾きは故障率が0に近い値から始まり、時間とともに増加していることを示します。これに対し他の選択肢は、故障率が一定または減少するといった誤った解釈を含んでいます。
よくある誤解
累積故障率のグラフの形状を見て「故障率が一定」や「減少している」と誤解しやすいですが、傾きの変化が故障率の変動を示すことを忘れてはいけません。
解法ステップ
- 累積故障率の定義を確認する(故障した製品数の割合)。
- グラフの傾きが瞬間的な故障率を表すことを理解する。
- 時刻0付近の傾きが小さいことから故障率が低いと判断する。
- 傾きが時間とともに増加していることから故障率が増加していると読み取る。
- 選択肢の内容と照らし合わせて正しいものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 故障率は0に近い値から始まり時間とともに増加するという正しい解釈。
- イ: 故障率が一定でその後減少するとあるが、グラフの傾きは序盤で増加しており誤り。
- ウ: 故障率が正の値から減少し0に近づくとあるが、序盤の傾きは小さく増加傾向で矛盾。
- エ: 故障率が一定とするが、累積故障率の傾き変化から一定ではないことが明らか。
補足コラム
累積故障率のグラフは、製品の故障挙動を把握する上で重要です。特に非修理系製品では、初期故障期(故障率が低い)、偶発故障期(故障率が増加)、摩耗故障期(故障率が安定または減少)といった故障率の時間変化を理解することが品質管理や保守計画に役立ちます。
FAQ
Q: 累積故障率の傾きは何を示しますか?
A: 累積故障率の傾きは瞬間的な故障率(単位時間あたりの故障発生率)を示します。傾きが大きいほど故障率が高いことを意味します。
A: 累積故障率の傾きは瞬間的な故障率(単位時間あたりの故障発生率)を示します。傾きが大きいほど故障率が高いことを意味します。
Q: 非修理系製品の故障率はなぜ時間とともに増加するのですか?
A: 製品の劣化や摩耗により故障が発生しやすくなるため、時間経過とともに故障率が増加する傾向があります。
A: 製品の劣化や摩耗により故障が発生しやすくなるため、時間経過とともに故障率が増加する傾向があります。
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