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システムアーキテクト試験 2017年 午前2 問04
複数のシステムの組合せによって実現するSoS(System of Systems)をモデル化するのに適した表記法であるSysMLの特徴はどれか。
ア:オブジェクト図によって、インスタンスの静的なスナップショットが記述できる。
イ:単純な図形と矢印によって、システムのデータの流れが記述できる。
ウ:パラメトリック図によって、モデル要素間の制約条件が記述できる。(正解)
エ:連接、反復、選択の記述パターンによって、ソフトウェアの構造を分かりやすく視覚化できる。
解説
SysMLの特徴とSoSモデル化への適用【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:SysMLのパラメトリック図は、複数システムの制約条件を明確に表現できるためSoSのモデル化に適しています。
- 根拠:パラメトリック図はモデル要素間の数学的・論理的制約を記述し、システム間の相互依存性を可視化可能です。
- 差がつくポイント:単なる構造やデータフローではなく、制約条件を表現できる点がSysMLの強みであり、SoSの複雑な連携を正確に表現できます。
正解の理由
選択肢ウの「パラメトリック図によって、モデル要素間の制約条件が記述できる」は、SysMLの特徴を正確に表しています。SoSは複数の独立したシステムが連携して機能するため、各システム間の性能や動作条件などの制約を明確にモデル化する必要があります。パラメトリック図はこれらの制約を数式や論理式で表現し、システム全体の整合性を検証するのに適しています。
よくある誤解
SysMLはUMLの拡張であり、単に構造やデータフローを表すだけと思われがちですが、パラメトリック図のように制約条件を表現できる点が大きな特徴です。
解法ステップ
- SoS(System of Systems)の特徴を理解する:複数システムの連携と制約が重要。
- SysMLの図の種類を把握する:オブジェクト図、パラメトリック図、アクティビティ図など。
- 各図の役割を確認する:パラメトリック図は制約条件の記述に特化。
- 問題文の「SoSのモデル化に適した表記法」という条件に合致する図を選ぶ。
- 制約条件を記述できるパラメトリック図(選択肢ウ)を正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: オブジェクト図はインスタンスの静的構造を示すが、SoSの制約条件表現には不十分。
- イ: データフロー図のような単純な図形と矢印はSysMLの特徴ではなく、制約表現もできない。
- ウ: パラメトリック図はモデル要素間の制約条件を記述でき、SoSの複雑な連携を表現可能。
- エ: 連接・反復・選択は制御構造の記述パターンであり、ソフトウェア構造の視覚化に関する説明でSysMLの特徴とは異なる。
補足コラム
SysML(Systems Modeling Language)はUMLを拡張したモデリング言語で、システム工学に特化しています。パラメトリック図は性能分析や制約検証に用いられ、SoSのような複雑なシステム連携の設計に不可欠です。これにより、設計段階での問題発見や最適化が可能となります。
FAQ
Q: SysMLのパラメトリック図はどのような制約を表現できますか?
A: 数学的な方程式や不等式、論理的な条件など、モデル要素間の性能や動作に関する制約を表現できます。
A: 数学的な方程式や不等式、論理的な条件など、モデル要素間の性能や動作に関する制約を表現できます。
Q: SoSのモデル化でパラメトリック図以外に有効なSysML図はありますか?
A: ブロック定義図や内部ブロック図も構造の表現に有効ですが、制約条件の記述はパラメトリック図が最適です。
A: ブロック定義図や内部ブロック図も構造の表現に有効ですが、制約条件の記述はパラメトリック図が最適です。
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