システムアーキテクト試験 2018年 午前204


システムやソフトウェアの品質に関する主張の正当性を裏付ける文書である“アシュアランスケース”を導入する目的として、適切なものはどれか。
障害を発生させる要因を演えき的(トップダウン)に解析して、原因又は原因の組合せを正確に示す。
システムを階層構造の構成要素に分解し、下位レベルの要素から上位レベルの要素へボトムアップで解析して、システムに対する最終的な影響を明らかにする。
証拠を示して論理的に説明することによって、システムやソフトウェアが目標の品質を達成できることを示す。(正解)
システムやソフトウェアの振る舞いをガイドワードを用いて分析して、システムやソフトウェアが意図する振る舞いから逸脱するケースを明らかにする。

解説

システムやソフトウェアの品質に関する主張の正当性を裏付ける文書“アシュアランスケース”の目的【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:アシュアランスケースは証拠を示し論理的に説明して品質目標の達成を示す文書です。
  • 根拠:品質保証のために、単なる主張ではなく根拠を明確に示す必要があるためです。
  • 差がつくポイント:アシュアランスケースは問題分析や原因特定ではなく、品質達成の正当性を論理的に裏付ける点に注目しましょう。

正解の理由

アシュアランスケースは「システムやソフトウェアが目標とする品質を達成していることを、証拠を基に論理的に説明する」ための文書です。単なる分析や問題発見ではなく、品質に関する主張の正当性を裏付けることが目的です。選択肢エはこの定義に合致しており、正解となります。

よくある誤解

アシュアランスケースは問題の原因解析やリスク分析の手法ではなく、品質達成の根拠を示す文書である点を混同しやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文の「品質に関する主張の正当性を裏付ける文書」というキーワードに注目する。
  2. アシュアランスケースの定義を思い出す(品質目標達成の論理的説明と証拠提示)。
  3. 選択肢の内容を「分析・解析」か「証拠と論理的説明」かで分類する。
  4. 「証拠を示して論理的に説明する」選択肢を正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア:ガイドワードを用いた振る舞い分析は「FTA」や「FMEA」などのリスク分析手法であり、アシュアランスケースの目的とは異なります。
  • イ:階層構造のボトムアップ解析はシステム解析手法の一つで、品質の正当性を示す文書とは異なります。
  • ウ:障害要因のトップダウン解析は故障木解析(FTA)に近く、原因特定が目的であり、品質主張の裏付けではありません。
  • エ:証拠を示し論理的に説明して品質目標達成を示すため、アシュアランスケースの目的に最も適しています。

補足コラム

アシュアランスケースは安全性や信頼性が重要なシステム開発で多用されます。安全アシュアランスケース(Safety Assurance Case)やセキュリティアシュアランスケースなど、目的に応じて証拠と論理構造を組み立てることで、第三者への説明責任を果たします。

FAQ

Q: アシュアランスケースはどのような場面で使われますか?
A: 主に安全性や信頼性が求められるシステム開発で、品質目標の達成を証明するために使われます。
Q: アシュアランスケースとリスク分析の違いは何ですか?
A: アシュアランスケースは品質達成の根拠を示す文書で、リスク分析は問題や原因を特定する手法です。

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