システムアーキテクト試験 2018年 午前206


JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE) 一 システム及びソフトウェア品質モデル)で定義されたシステム及び又はソフトウェア製品の品質特性に関する説明のうち、適切なものはどれか。
信頼性とは、明記された状態(条件)で使用する資源の量に関係する性能の度合いのことである。
性能効率性とは、明示された利用状況において、有効性、効率性及び満足性をもって明示された目標を達成するために、明示された利用者が製品又はシステムを利用することができる度合いのことである。
保守性とは、明示された時間帯で、明示された条件下に、システム、製品又は構成要素が明示された機能を実行する度合いのことである。
機能適合性とは、明示された状況下で使用するとき、明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させる機能を、製品又はシステムが提供する度合いのことである。(正解)

解説

JIS X 25010:2013 システム及びソフトウェア品質特性の説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:正しい品質特性の説明は「機能適合性」が明示的かつ暗黙的ニーズを満たす度合いを示す点である。
  • 根拠:JIS X 25010:2013は品質特性を明確に定義し、機能適合性はユーザー要求の充足度を評価する基準として位置付けられている。
  • 差がつくポイント:各品質特性の定義を正確に理解し、特に「信頼性」「性能効率性」「保守性」の誤った説明を見抜く力が重要である。

正解の理由

選択肢アは「機能適合性」を「明示された状況下で使用するとき、明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させる機能を、製品又はシステムが提供する度合い」と正確に説明しています。これはJIS X 25010:2013の定義に合致し、ユーザーの要求を満たす機能の適切さを示すため、正解です。

よくある誤解

信頼性は「資源の量」ではなく「故障なく動作する能力」を指します。性能効率性は「利用者の満足度」ではなく「資源の効率的使用」に関する特性です。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている品質特性の定義を確認する。
  2. JIS X 25010:2013の品質特性の公式定義を思い出す。
  3. 各選択肢の説明が定義に合致しているかを比較検討する。
  4. 明らかに誤った説明を除外し、最も正確なものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。機能適合性の定義として正確である。
  • イ: 信頼性は「資源の量」ではなく「故障なく動作する能力」を示すため誤り。
  • ウ: 性能効率性は「利用者の満足度」ではなく「資源の効率的使用」に関する特性であり、説明が混同している。
  • エ: 保守性は「機能を実行する度合い」ではなく「修正や改善のしやすさ」を示すため誤り。

補足コラム

JIS X 25010:2013はソフトウェア品質の国際標準であり、品質特性は「機能適合性」「性能効率性」「互換性」「使用性」「信頼性」「保守性」「移植性」などに分類されます。これらの正確な理解は品質評価や要件定義に不可欠です。

FAQ

Q: 機能適合性と性能効率性の違いは何ですか?
A: 機能適合性はユーザーのニーズを満たす機能の適切さ、性能効率性は資源の使用効率や応答時間などの性能面を指します。
Q: 信頼性はどのように評価されますか?
A: 故障の頻度や回復能力、継続的に正常動作する能力で評価されます。

関連キーワード: 機能適合性, 信頼性, 性能効率性, 保守性, JIS X 25010, ソフトウェア品質モデル, 品質特性
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ