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システムアーキテクト試験 2018年 午前2 問07
ソフトウェアの要件定義や分析・設計で用いられる技法に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア:決定表は、条件と処理を組み合わせた表の形式で論理を表現したものであり、条件や処理の組合せが複雑な要件定義の記述手段として有効である。(正解)
イ:構造化チャートは、システムの“状態”の種別とその状態が選移する“要因”との関係を分かりやすく表現する手段として有効である。
ウ:状態移図は、DFDに“コントロール変換とコントロールフロー”を付加したものであり、制御系システムに特有な処理を表現する手段として有効である。
エ:制御フロー図は、データの源泉、吸収、流れ、処理、格納”を基本要素としており、システム内のデータの流れを表現する手段として有効である。"
解説
ソフトウェアの要件定義や分析・設計で用いられる技法に関する記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:決定表は複雑な条件と処理の組み合わせを整理し、要件定義に適した表形式の技法である。
- 根拠:決定表は条件と処理を網羅的に組み合わせて論理を明確化し、抜け漏れや矛盾を防ぐために有効である。
- 差がつくポイント:状態遷移やデータフロー図など他の技法の特徴を正確に理解し、決定表の用途と混同しないことが重要である。
正解の理由
選択肢アの「決定表」は、複数の条件とそれに対応する処理を表形式で整理し、複雑な論理を分かりやすく表現する技法です。要件定義や設計段階で条件分岐が多い場合に、条件の組み合わせ漏れや矛盾を防止できるため、非常に有効です。
他の選択肢はそれぞれ別の技法の説明として誤りが含まれており、決定表の特徴を正しく表しているのはアだけです。
他の選択肢はそれぞれ別の技法の説明として誤りが含まれており、決定表の特徴を正しく表しているのはアだけです。
よくある誤解
状態遷移図や構造化チャートの説明と決定表の説明を混同しやすいですが、それぞれ用途や表現方法が異なります。
また、DFDや制御フロー図の基本要素を誤認し、決定表の説明と混同することも多いです。
また、DFDや制御フロー図の基本要素を誤認し、決定表の説明と混同することも多いです。
解法ステップ
- 各選択肢の技法名とその特徴を正確に理解する。
- 決定表は「条件と処理の組み合わせを表形式で表す」技法であることを確認。
- 構造化チャートはモジュールの呼び出し関係を示す図であり、状態遷移とは異なることを認識。
- 状態遷移図は状態と遷移を表現し、DFDとは別の概念であることを確認。
- 制御フロー図は処理の流れを示すが、データの流れを表すDFDとは異なることを理解。
- 以上の知識をもとに、正しい説明を選択肢から選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 決定表は条件と処理の組み合わせを表形式で表し、複雑な要件定義に有効で正しい。
- イ: 構造化チャートはモジュールの呼び出し関係を示す図であり、状態遷移の表現には適さない。
- ウ: 状態遷移図は状態と遷移を表すが、DFDにコントロール変換を付加したものではない。
- エ: 制御フロー図は処理の流れを示すが、データの流れを表すのはDFDであり説明が混同している。
補足コラム
決定表はソフトウェア開発の初期段階で要件の抜け漏れを防ぐために活用されます。条件が多岐にわたる場合、文章だけで表現すると誤解や漏れが生じやすいため、決定表で体系的に整理することが推奨されます。
また、状態遷移図はイベント駆動型のシステム設計に適し、構造化チャートはプログラムのモジュール構造を視覚化するために使われます。これらの技法は目的に応じて使い分けることが重要です。
また、状態遷移図はイベント駆動型のシステム設計に適し、構造化チャートはプログラムのモジュール構造を視覚化するために使われます。これらの技法は目的に応じて使い分けることが重要です。
FAQ
Q: 決定表はどのような場面で特に有効ですか?
A: 条件分岐が多く複雑なロジックを整理したい場合に有効で、要件定義やテスト設計でよく使われます。
A: 条件分岐が多く複雑なロジックを整理したい場合に有効で、要件定義やテスト設計でよく使われます。
Q: 状態遷移図と決定表はどう違いますか?
A: 状態遷移図はシステムの状態変化を表し、決定表は条件と処理の組み合わせを整理する表形式の技法です。
A: 状態遷移図はシステムの状態変化を表し、決定表は条件と処理の組み合わせを整理する表形式の技法です。
Q: DFDと制御フロー図の違いは何ですか?
A: DFDはデータの流れを表現し、制御フロー図は処理の順序や制御の流れを示します。
A: DFDはデータの流れを表現し、制御フロー図は処理の順序や制御の流れを示します。
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