システムアーキテクト試験 2018年 午前209


ブラックボックステストにおけるテストケースの設計に関する記述として、適切なものはどれか。
実データからテストデータを無作為に抽出して、テストケースを設計する。
実データのうち使用頻度が高いものを重点的に抽出して、テストケースを設計する。
プログラムがどのような機能を果たすのかを仕様書で調べて、テストケースを設計する。(正解)
プログラムの全ての命令が少なくとも1回は実行されるように、テストケースを設計する

解説

ブラックボックステストにおけるテストケースの設計に関する記述【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ブラックボックステストは仕様書を基に機能を検証するため、仕様書からテストケースを設計するのが適切です。
  • 根拠:ブラックボックステストは内部構造を考慮せず、外部仕様に基づいて動作を検証する手法だからです。
  • 差がつくポイント:内部構造を意識するホワイトボックステストと混同せず、仕様重視でテストケースを作成する点が重要です。

正解の理由

選択肢ウは「プログラムがどのような機能を果たすのかを仕様書で調べて、テストケースを設計する」とあります。ブラックボックステストはプログラムの内部構造を見ずに、仕様書や要求仕様に基づいて入力と出力の関係を検証します。したがって、仕様書を参照してテストケースを設計することが最も適切です。

よくある誤解

ブラックボックステストで内部の命令網羅を目指すのは誤りです。内部構造を考慮するのはホワイトボックステストの役割です。

解法ステップ

  1. ブラックボックステストの定義を確認する(内部構造を考慮しないテスト)。
  2. テストケース設計の基準が「仕様書や要求仕様」であることを理解する。
  3. 選択肢の内容を「仕様書参照か内部構造か」で分類する。
  4. 仕様書に基づく設計を示す選択肢を正解とする。
  5. 内部構造や実データの抽出に偏った選択肢は誤りと判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 実データから無作為抽出は実際の使用状況を反映するが、仕様に基づく網羅的検証には不十分でブラックボックステストの基本とは異なります。
  • イ: 使用頻度の高いデータに偏ると、仕様全体の検証が不十分になり、仕様書に基づく網羅性が損なわれます。
  • ウ: 仕様書を基に機能を調べてテストケースを設計するため、ブラックボックステストの本質に合致しています。
  • エ: 全命令の実行はホワイトボックステストの目的であり、ブラックボックステストの設計方針とは異なります。

補足コラム

ブラックボックステストは「機能テスト」とも呼ばれ、ユーザー視点での動作確認に適しています。代表的な設計技法には同値クラステストや境界値分析があり、これらも仕様書を基にテストケースを作成します。一方、ホワイトボックステストはコードの網羅性を重視し、命令網羅や分岐網羅を目指します。

FAQ

Q: ブラックボックステストで使うテストケース設計技法は何ですか?
A: 同値クラステストや境界値分析など、仕様に基づく入力値の分類や境界条件を重視した技法が使われます。
Q: ブラックボックステストとホワイトボックステストの違いは何ですか?
A: ブラックボックステストは仕様書に基づき機能を検証し、ホワイトボックステストはプログラムの内部構造を考慮してコードの網羅性を検証します。

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