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システムアーキテクト試験 2018年 午前2 問14
共通フレーム2013によれば、要件定義プロセスの活動内容には、利害関係者の識別、要件の識別、要件の評価、要件の合意などがある。このうちの要件の識別において実施する作業はどれか。
ウ:矛盾した要件、実現不可能な要件などの問題点に対する解決方法を利害関係者に説明し、合意を得る。
エ:利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約条件や運用シナリオなどを明らかにする。(正解)
イ:抽出された要件を確認して、矛盾点や曖味な点をなくし、一貫性がある要件の集合として整理する。
ア:システムのライフサイクルの全期間を通して、どの工程でどの関係者が参画するのかを明確にする。
解説
共通フレーム2013 要件定義プロセスの要件の識別【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:要件の識別では利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約条件や運用シナリオを明確にします。
- 根拠:共通フレーム2013は要件の識別を「必要な要件を抽出し整理する活動」と定義しており、利害関係者との対話が中心です。
- 差がつくポイント:要件の識別は単なる要件の確認や合意ではなく、要件の抽出と明確化に注力する点を理解しましょう。
正解の理由
選択肢エは「利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約条件や運用シナリオなどを明らかにする」とあり、これは要件の識別の本質を正確に表しています。要件の識別は、まだ明確になっていない要求や条件を洗い出し、システムに必要な要素を具体化する段階です。利害関係者とのコミュニケーションを通じて、必要な情報を網羅的に収集し、要件の基礎を築く作業が求められます。
よくある誤解
要件の識別を「要件の評価」や「要件の合意」と混同し、抽出後の整理や合意形成の作業と考える誤解が多いです。識別はあくまで要件を見つけ出す段階です。
解法ステップ
- 問題文の「要件の識別」に注目し、その定義を確認する。
- 共通フレーム2013の要件定義プロセスの活動内容を理解する。
- 選択肢の内容を「要件の抽出・明確化」「評価」「合意」などの段階に分類する。
- 要件の識別に該当する作業は「要件の抽出と明確化」であることを確認する。
- 選択肢エが要件の識別の内容と一致しているため正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: システムのライフサイクル全期間の関係者参画の明確化は「利害関係者の識別」に該当し、要件の識別ではありません。
- イ: 要件の矛盾や曖昧さをなくし整理するのは「要件の評価」にあたります。
- ウ: 問題点の解決方法を説明し合意を得るのは「要件の合意」の活動です。
- エ: 利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約条件や運用シナリオを明らかにする作業は「要件の識別」に該当し正解です。
補足コラム
共通フレーム2013はシステム開発の標準的なプロセスモデルであり、要件定義はシステム成功の鍵を握る重要なフェーズです。要件の識別は、利害関係者のニーズを正確に把握し、後の設計や開発の基盤を作るため、丁寧なヒアリングと情報整理が求められます。
FAQ
Q: 要件の識別と要件の評価はどう違いますか?
A: 要件の識別は必要な要件を抽出し明確にする段階で、要件の評価は抽出した要件の矛盾や不備を検証し整理する段階です。
A: 要件の識別は必要な要件を抽出し明確にする段階で、要件の評価は抽出した要件の矛盾や不備を検証し整理する段階です。
Q: 利害関係者の識別は要件の識別と同じですか?
A: いいえ。利害関係者の識別は関係者を特定する作業で、要件の識別はその関係者から要件を引き出す作業です。
A: いいえ。利害関係者の識別は関係者を特定する作業で、要件の識別はその関係者から要件を引き出す作業です。
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