ホーム > システムアーキテクト試験 > 2019年
システムアーキテクト試験 2019年 午前2 問11
ソフトウェアのテスト工程において、バグ管理図を用いて、テストの進捗状況とソフトウェアの品質を判断したい。このときの考え方のうち、最も適切なものはどれか。
イ:テスト項目がスケジュールどおりに消化され、かつ、バグ摘出の累積件数が増加しなければ、ソフトウェアの品質は高いと判断できる。
エ:バグ摘出の累積件数の推移とテスト項目の未消化件数の推移から、テスト終了の時期をほぼ正確に予測できる。
ア:テスト工程の前半で予想以上にバグが摘出され、スケジュールが遅れたので、スケジュールの見直しを行い、数日遅れでテスト終了の判断をした。
ウ:テスト項目消化の累積件数、バグ摘出の累積件数及び未解決バグの件数が変化しなくなった場合は、解決困難なバグに直面しているかどうかを確認する必要がある。(正解)
解説
ソフトウェアのテスト工程におけるバグ管理図の活用【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:バグ管理図でテスト項目消化数・バグ摘出数・未解決バグ数が変化しなくなったら、解決困難なバグの有無を確認すべきです。
- 根拠:これらの指標が停滞するのは、テストが進んでいるが新たなバグが見つからず、未解決バグが残っている可能性があるためです。
- 差がつくポイント:単にバグ数や進捗だけで判断せず、未解決バグの動向に注目し、品質リスクを見極める視点が重要です。
正解の理由
選択肢ウは、バグ管理図の3つの重要指標(テスト項目消化累積数、バグ摘出累積数、未解決バグ数)が変化しなくなった場合に、解決困難なバグが存在する可能性を示唆し、追加確認を促しています。これはテストの進捗と品質の両面を正しく評価するために不可欠な考え方です。単にバグ数が減ったから品質が良いとは限らず、未解決バグの存在が品質リスクとなるため、適切な判断基準となります。
よくある誤解
バグ摘出数が減ると品質が良いと誤解しがちですが、未解決バグが残っている場合は品質リスクが高いです。進捗遅れを単純にスケジュール調整で解決するのも誤りです。
解法ステップ
- バグ管理図の3つの指標(テスト項目消化累積数、バグ摘出累積数、未解決バグ数)を確認する。
- これらの指標が停滞しているかどうかを判断する。
- 停滞している場合は、解決困難なバグが存在する可能性を考慮し、詳細な確認を行う。
- 進捗やバグ数の単純な増減だけで品質判断しない。
- テスト終了時期の予測は複数の指標を総合的に評価して行う。
選択肢別の誤答解説
- ア: テスト前半のバグ摘出増加で遅れた場合、単にスケジュールを数日遅らせるだけでは品質判断やリスク管理が不十分です。
- イ: バグ摘出数が増加しなければ品質が高いとは限らず、未解決バグの存在を無視しています。
- ウ: 正解。バグ管理図の指標が停滞した場合に解決困難なバグの有無を確認する適切な考え方です。
- エ: バグ摘出数と未消化テスト項目数だけでテスト終了時期を「ほぼ正確に」予測するのは困難で、他の要因も考慮が必要です。
補足コラム
バグ管理図はテスト進捗と品質管理の両面で活用されます。特に未解決バグの推移は品質リスクの重要な指標であり、停滞や増加があれば原因分析と対策が必要です。また、テスト終了判断は単なる進捗数値だけでなく、リスク評価や品質目標の達成度も考慮します。
FAQ
Q: バグ摘出数が減ったら品質は良いと言えますか?
A: いいえ。バグ摘出数が減っても未解決バグが残っていれば品質リスクは高いままです。
A: いいえ。バグ摘出数が減っても未解決バグが残っていれば品質リスクは高いままです。
Q: バグ管理図でテスト終了時期は正確に予測できますか?
A: バグ数やテスト項目数だけで正確に予測するのは難しく、他の要因も含めて総合的に判断します。
A: バグ数やテスト項目数だけで正確に予測するのは難しく、他の要因も含めて総合的に判断します。
Q: 未解決バグが増加した場合はどうすべきですか?
A: 解決困難なバグの可能性があるため、原因分析と優先順位付け、対策の検討が必要です。
A: 解決困難なバグの可能性があるため、原因分析と優先順位付け、対策の検討が必要です。
関連キーワード: バグ管理図, テスト進捗管理, ソフトウェア品質, 未解決バグ, テスト工程