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システムアーキテクト試験 2019年 午前2 問16
グラントバックの説明はどれか。
ア:異なる分野で特許技術をもつ事業者同士が技術供与協定を締結し、互いに無償で特許の実施権を許諾すること
イ:自社固有のビジネスモデルに関してビジネスモデル特許を取得した上で、無償で広くその利用を許諾すること
ウ:ライセンスを受けた者が特許技術を改良して、新たに取得した特許について、ライセンスを与えた者へ譲渡する義務を課すこと
エ:ライセンスを受けた者が特許技術を改良して、新たに取得した特許は、ライセンスを与えた者に実施権が許諾されること(正解)
解説
グラントバックの説明はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:グラントバックとは、ライセンスを受けた者が改良した特許の実施権をライセンサーに許諾する仕組みです。
- 根拠:これは技術の改良成果をライセンサー側も利用できるようにする契約条項で、知的財産の共有を促進します。
- 差がつくポイント:改良特許の実施権の帰属先に注目し、譲渡義務ではなく実施権許諾である点を正確に理解することが重要です。
正解の理由
選択肢エは「ライセンスを受けた者が特許技術を改良して、新たに取得した特許は、ライセンスを与えた者に実施権が許諾されること」とあり、グラントバックの定義に合致します。グラントバック条項は、ライセンス受領者が改良した技術の実施権をライセンサーに与えることで、技術の発展を双方が活用できるようにする契約形態です。
よくある誤解
グラントバックは改良特許の「譲渡」ではなく「実施権の許諾」であり、権利そのものを移転するわけではありません。これを混同すると誤答しやすいです。
解法ステップ
- 問題文の「グラントバック」の意味を確認する。
- 選択肢の内容を「改良特許の扱い」に注目して読み解く。
- 「実施権の許諾」と「譲渡義務」の違いを理解する。
- グラントバックの定義に合致する選択肢を選ぶ。
- 他の選択肢がグラントバックの説明と異なる点を確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 互いに無償で特許実施権を許諾する技術供与協定はクロスライセンスであり、グラントバックとは異なります。
- イ: 自社のビジネスモデル特許を無償で許諾する行為はオープンライセンスに近く、グラントバックの説明ではありません。
- ウ: 改良特許の「譲渡義務」を課すのはグラントバックではなく、権利移転を伴う別の契約形態です。
- エ: 改良特許の実施権をライセンサーに許諾する点がグラントバックの本質であり正解です。
補足コラム
グラントバック条項は特許ライセンス契約でよく用いられ、ライセンス受領者の改良技術をライセンサーも利用できるようにすることで、技術の発展と双方の利益を促進します。一方で、ライセンス受領者の権利制限となるため、契約交渉時に慎重な検討が必要です。
FAQ
Q: グラントバックとクロスライセンスの違いは何ですか?
A: グラントバックは改良特許の実施権をライセンサーに許諾する条項で、クロスライセンスは双方が互いの特許を無償で利用できる契約です。
A: グラントバックは改良特許の実施権をライセンサーに許諾する条項で、クロスライセンスは双方が互いの特許を無償で利用できる契約です。
Q: グラントバック条項はなぜ重要ですか?
A: 技術改良の成果をライセンサーも利用できるため、技術の発展と契約関係の安定化に寄与します。
A: 技術改良の成果をライセンサーも利用できるため、技術の発展と契約関係の安定化に寄与します。
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