ホーム > システムアーキテクト試験 > 2019年
システムアーキテクト試験 2019年 午前2 問19
ページング方式の仮想記憶において、主記憶の1回のアクセス時間が300ナノ秒で、主記憶アクセス100万回に1回の割合でページフォールトが発生し、ページフオールト1回当たり200ミリ秒のオーバヘッドを伴うコンピュータがある。主記憶の平均アクセス時間を短縮させる改善策を、効果の高い順に並べたものはどれか。
〔改善策〕
a.主記憶の1回のアクセス時間はそのままで、ページフォールト発生時の1回当たりのオーバヘッド時間をに短縮する。
b.主記憶の1回のアクセス時間をに短縮する。ただし、ページフォールトの発生率は1.2倍となる。
c.主記他の1回のアクセス時間をに短縮する。この場合、ページフォールトの発生率は変化しない。
ア:a, b, c
イ:a, c, b
ウ:b, a, c
エ:c, b, a(正解)
解説
ページング方式の仮想記憶における平均アクセス時間短縮策【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:主記憶アクセス時間の短縮が最も効果的で、次にページフォールト発生率の増加を考慮した短縮、最後にページフォールトオーバーヘッドの削減が効果的です。
- 根拠:平均アクセス時間は「主記憶アクセス時間+ページフォールト発生率×オーバーヘッド」で計算され、主記憶アクセス時間の大幅短縮が全体に与える影響が大きいからです。
- 差がつくポイント:ページフォールト発生率の変化を考慮しつつ、各改善策の効果を数値で比較できるかが合格の鍵となります。
正解の理由
選択肢エ(c, b, a)が正解です。
理由は、主記憶アクセス時間を1/3に短縮するcが最も平均アクセス時間を減らし、次にアクセス時間を1/4に短縮しページフォールト率が1.2倍になるb、最後にページフォールトオーバーヘッドを1/5に減らすaの順で効果が高いからです。
具体的に計算すると、cの効果が最も大きく、aはページフォールト発生率が非常に低いため改善効果が限定的です。
理由は、主記憶アクセス時間を1/3に短縮するcが最も平均アクセス時間を減らし、次にアクセス時間を1/4に短縮しページフォールト率が1.2倍になるb、最後にページフォールトオーバーヘッドを1/5に減らすaの順で効果が高いからです。
具体的に計算すると、cの効果が最も大きく、aはページフォールト発生率が非常に低いため改善効果が限定的です。
よくある誤解
ページフォールトオーバーヘッドの削減が最も効果的と誤解しがちですが、発生率が非常に低いため全体の平均アクセス時間への影響は小さいです。
解法ステップ
- 平均アクセス時間の式を確認する:
- 各改善策の条件を数値に置き換える。
- それぞれの改善策で平均アクセス時間を計算する。
- 計算結果を比較し、効果の高い順に並べる。
- ページフォールト率の変化も考慮することを忘れない。
選択肢別の誤答解説
- ア(a, b, c):ページフォールトオーバーヘッド削減を最優先にしているが、発生率が低いため効果が小さい。
- イ(a, c, b):aを最優先にしている点が誤り。cの効果がより大きい。
- ウ(b, a, c):bを最優先にしているが、cの方が主記憶アクセス時間の短縮効果が大きい。
- エ(c, b, a):主記憶アクセス時間短縮の効果を正しく評価し、最も効果的な順に並べている。
補足コラム
ページング方式の仮想記憶では、主記憶アクセス時間とページフォールト率、ページフォールトオーバーヘッドのバランスが性能に大きく影響します。特にページフォールト率が低い場合は、主記憶アクセス時間の改善が全体の性能向上に直結します。逆にページフォールト率が高い場合はオーバーヘッド削減の効果が大きくなります。
FAQ
Q: ページフォールト率が非常に低い場合、どの改善策が最も効果的ですか?
A: 主記憶アクセス時間の短縮が最も効果的です。ページフォールトオーバーヘッドの影響は小さいためです。
A: 主記憶アクセス時間の短縮が最も効果的です。ページフォールトオーバーヘッドの影響は小さいためです。
Q: ページフォールト率が増加すると平均アクセス時間はどうなりますか?
A: ページフォールト率が増加すると、ページフォールトオーバーヘッドの影響が大きくなり、平均アクセス時間が増加します。
A: ページフォールト率が増加すると、ページフォールトオーバーヘッドの影響が大きくなり、平均アクセス時間が増加します。
関連キーワード: ページング, 仮想記憶, 平均アクセス時間, ページフォールト, オーバーヘッド, 主記憶アクセス時間