システムアーキテクト試験 2019年 午前220


ホストコンピュータとそれを使用するための2台の端末を接続したシステムがある。ホストコンピュータの故障率をa,端末の故障率をbとするとき、このシステムが故障によって使えなくなる確率はどれか。ここで、端末は1台以上が稼働していればよく、通信回線など他の部分の故障は発生しないものとする
1(1a)(1b2)1 - (1 - a)(1 - b^2)(正解)
1(1a)(1b)21 - (1 - a)(1 - b)^2
(1a)(1b2)(1 - a)(1 - b^2)
(1a)(1b)2(1 - a)(1 - b)^2

解説

ホストコンピュータと端末の故障確率問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:システムが使えなくなる確率は、ホスト故障か端末両方故障の確率の和で表される。
  • 根拠:ホストは1台、端末は2台で1台以上稼働すれば良いので、端末両方故障がシステム停止条件。
  • 差がつくポイント:端末の故障確率の扱い方(b2b^2(1b)2(1-b)^2か)と全体の故障確率の組み合わせを正しく理解すること。

正解の理由

ホストコンピュータの故障率をaa、端末1台の故障率をbbとすると、
  • ホストが正常に動作する確率は(1a)(1 - a)
  • 端末が両方とも故障する確率はb2b^2(独立故障のため)
  • 端末が1台以上稼働している確率は1b21 - b^2
    よって、システムが正常に動作する確率は「ホスト正常かつ端末1台以上正常」なので、
    (1a)(1b2)(1 - a)(1 - b^2)
    これの補集合(システムが故障する確率)が求める値であり、
    1(1a)(1b2)1 - (1 - a)(1 - b^2)
    となるため、選択肢アが正解です。

よくある誤解

端末の故障確率を単純に(1b)2(1 - b)^2と考え、両端末が正常な確率と混同しやすい点に注意が必要です。

解法ステップ

  1. ホストコンピュータの故障率aaと正常率(1a)(1 - a)を確認する。
  2. 端末1台の故障率bbから、両端末が故障する確率b2b^2を計算する。
  3. 端末が1台以上稼働する確率は1b21 - b^2であることを理解する。
  4. システムが正常に動作する確率はホスト正常かつ端末1台以上正常の積(1a)(1b2)(1 - a)(1 - b^2)
  5. システムが故障する確率はその補集合で1(1a)(1b2)1 - (1 - a)(1 - b^2)となる。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。ホスト正常かつ端末1台以上正常の確率の補集合を正しく表現。
  • イ: 端末が両方正常な確率(1b)2(1 - b)^2を使っており、端末1台以上稼働の条件を誤解している。
  • ウ: システムが正常に動作する確率を表すが、問題は故障確率を問うているため不正解。
  • エ: 端末両方正常の確率を使い、故障確率の計算が誤っている。

補足コラム

この問題は「システムの可用性」や「信頼性工学」の基本的な考え方を問うものです。複数の機器が並列に動作する場合、全てが故障しない限りシステムは稼働可能とみなすため、並列故障確率の計算が重要です。

FAQ

Q: 端末が1台以上稼働していれば良いとはどういう意味ですか?
A: 2台の端末のうち少なくとも1台が正常であれば、システムは使える状態を指します。
Q: 故障率aabbは独立と考えて良いですか?
A: はい、本問題では独立故障と仮定して計算しています。

関連キーワード: 故障率, システム可用性, 並列システム, 信頼性工学, 確率計算
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