システムアーキテクト試験 2021年 午前210


JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE) ー システム及びソフトウェア品質モデル)で規定された品質副特性の説明のうち、信頼性に分類されるものはどれか。
二つ以上のシステム、製品又は構成要素が情報を交換し、既に交換された情報を使用することができる度合い
製品又はシステムが、それらを運用操作しやすく、制御しやすくする属性をもっている度合い
製品若しくはシステムの一つ以上の部分への意図した変更が製品若しくはシステムに与える影響を総合評価すること、欠陥若しくは故障の原因を診断すること、又は修正しなければならない部分を識別することが可能であることについての有効性及び効率性の度合い
中断時又は故障時に、製品又はシステムが直接的に影響を受けたデータを回復し、システムを希望する状態に復元することができる度合い(正解)

解説

JIS X 25010:2013 品質副特性「信頼性」【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:信頼性に分類される品質副特性は「中断時や故障時にデータ回復やシステム復元ができる度合い」である。
  • 根拠:JIS X 25010:2013では信頼性はシステムの故障耐性や回復能力を含む品質特性として定義されているため。
  • 差がつくポイント:信頼性は単なる使いやすさや変更管理ではなく、障害発生時の回復力に着目する点が重要である。

正解の理由

選択肢ウは「中断時又は故障時に、製品又はシステムが直接的に影響を受けたデータを回復し、システムを希望する状態に復元することができる度合い」とあり、これは信頼性の中核である「回復性(Recoverability)」を示しています。信頼性はシステムが故障しても正常に動作を継続または復旧できる能力を指し、JIS X 25010:2013の品質副特性の一つです。したがって、ウが正解です。

よくある誤解

信頼性は「使いやすさ」や「変更の影響評価」と混同されやすいですが、これらはそれぞれ操作性や保守性に分類されます。信頼性は主に故障時の耐性や回復に関する特性です。

解法ステップ

  1. JIS X 25010:2013の品質モデルで「信頼性」が何を指すかを確認する。
  2. 信頼性は「故障耐性」「回復性」などの特性を含むことを理解する。
  3. 各選択肢の説明文から信頼性に該当する内容を探す。
  4. 「中断時や故障時の回復能力」を示す選択肢を選ぶ。
  5. 他の選択肢は操作性や保守性、相互運用性に関する説明であることを確認し除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア:操作性(Usability)に関する説明であり、信頼性とは異なる。
  • イ:保守性(Maintainability)に関する説明で、変更の影響評価や欠陥診断に関する内容。
  • ウ:信頼性の中でも特に回復性を示し、正解。
  • エ:相互運用性(Interoperability)に関する説明で、情報交換の能力を指す。

補足コラム

JIS X 25010:2013はソフトウェア品質を8つの特性に分類し、それぞれに副特性を定義しています。信頼性は「故障の頻度」「故障からの回復」「耐障害性」などを含み、システムの安定稼働に不可欠な品質特性です。特にミッションクリティカルなシステムでは信頼性の確保が最重要課題となります。

FAQ

Q: 信頼性と保守性はどう違いますか?
A: 信頼性はシステムの故障耐性や回復能力を指し、保守性は変更や修正のしやすさを指します。
Q: 操作性は信頼性に含まれますか?
A: いいえ。操作性は使いやすさに関する特性で、信頼性とは別の品質特性です。

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