システムアーキテクト試験 2021年午前2 問13

システム化構想の段階で、ビジネスモデルを整理したり、分析したりするときに有効なフレームワークの一つであるビジネスモデルキャンバスの説明として、適切なものはどれか。

イ：企業が付加価値を生み出すための業務の流れを、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスという五つの主活動と、調達、技術開発など四つの支援活動に分類して分析する。

ウ：企業の強み・弱み、外部環境の機会・脅威を分析し、内部要因と外部要因をそれぞれ軸にした表を作成することによって、事業機会や事業課題を発見する。

エ：企業目標の達成を目指し、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から戦略マップを作成して、四つの視点においてバランスのとれた事業計画を策定し進捗管理をしていく。

ア：企業がどのように、価値を創造し、顧客に届け、収益を生み出しているかを、顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、リソース、主要活動、パートナ、コスト構造の九つのブロックを用いて図示し、分析する。（正解）

解説

結論：ビジネスモデルキャンバスは企業の価値創造や収益構造を九つの要素で図示し、全体像を整理・分析するフレームワークです。
根拠：顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客関係、収益の流れ、リソース、主要活動、パートナー、コスト構造の九つのブロックで構成され、ビジネスモデルの全体像を視覚的に把握できます。
差がつくポイント：他のフレームワーク（バリューチェーン、SWOT、バランスト・スコアカード）との違いを理解し、ビジネスモデルキャンバスは「価値の創造と提供の仕組み」を俯瞰的に捉える点に注目しましょう。

選択肢アは、ビジネスモデルキャンバスの基本構成要素である九つのブロックを正確に挙げており、企業がどのように価値を創造し顧客に届け、収益を生み出すかを図示して分析する方法を説明しています。これはビジネスモデルキャンバスの定義そのものであり、問題文の趣旨に最も適合しています。

ビジネスモデルキャンバスは業務プロセスの流れや内部外部環境分析ではなく、企業の価値提供の仕組みを視覚化するためのフレームワークです。

ビジネスモデルキャンバスはアレックス・オスターワルダーによって提唱され、スタートアップから大企業まで幅広く活用されています。視覚的にビジネスの全体像を把握できるため、システム化構想の段階でビジネスモデルの理解や課題抽出に非常に有効です。

Q: ビジネスモデルキャンバスはどの段階で使うのが効果的ですか？
A: システム化構想や新規事業立案の初期段階で、ビジネスの全体像を整理し課題を明確にするために使います。

Q: バリューチェーン分析とビジネスモデルキャンバスの違いは何ですか？
A: バリューチェーンは業務プロセスの付加価値創出の流れを分析するのに対し、ビジネスモデルキャンバスは価値提供の仕組み全体を視覚化します。

関連キーワード: ビジネスモデルキャンバス, バリューチェーン, SWOT分析, バランスト・スコアカード, システム化構想, 価値提案, 顧客セグメント