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システムアーキテクト試験 2021年 午前2 問15
WTO政府調達協定の説明はどれか。
イ:国などの公的機関が率先して、環境物品等(環境負荷低減に資する製品やサービス)の調達を推進し、環境物品等への需要の転換を促進するために必要な事項を定めたものである。
ウ:政府機関などによる物品・サービスの調達において、締約国に対する市場開放を進めて国際的な競争の機会を増大させるとともに、苦情申立て、協議及び紛争解決に関する実効的な手続を定めたものである。(正解)
エ:締約国に対して、工業所有権の保護に関するパリ条約や、著作権の保護に関するベルヌ条約などの主要条項を遵守することを義務付けるとともに、知的財産権保護のための最恵国待遇などを定めたものである。
ア:EU市場で扱われる電気・電子製品、医療機器などにおいて、一定基準値を超える特定有害物質(鉛、カドミウム、六価クロム、水銀など6物質)の使用を規制することを定めたものである。
解説
WTO政府調達協定の説明はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:WTO政府調達協定は、政府調達市場の国際的な開放と競争促進を目的としています。
- 根拠:協定は締約国間での物品・サービス調達に関する市場アクセスの拡大と紛争解決手続きを規定しています。
- 差がつくポイント:環境規制や知的財産権保護ではなく、「政府調達の国際競争の促進と手続きの整備」が本質です。
正解の理由
選択肢ウは、WTO政府調達協定(GPA: Government Procurement Agreement)の核心を正確に表しています。GPAは政府機関の調達市場を開放し、締約国間での公平な競争機会を増やすことを目的とし、苦情申立てや紛争解決のための実効的な手続きも定めています。これにより、透明性と公正性が確保され、国際的な調達活動が円滑に行われるようになります。
よくある誤解
WTO政府調達協定は環境規制や知的財産権保護の条約ではありません。これらは別の国際協定や規制で扱われる分野です。
解法ステップ
- 問題文の「WTO政府調達協定」の目的を確認する。
- 選択肢の内容が「政府調達の国際的な市場開放と競争促進」に合致しているかを判断。
- 環境規制や知的財産権に関する説明は別の協定であることを知識として区別。
- 最も協定の目的に沿った選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: EUの特定有害物質規制は「RoHS指令」などのEU独自規制であり、WTO政府調達協定とは無関係です。
- イ: 環境物品調達の推進は「環境物品調達推進ガイドライン」など別の政策で、WTO協定の内容ではありません。
- ウ: 政府調達の市場開放と紛争解決手続きの規定はWTO政府調達協定の正しい説明です。
- エ: 工業所有権や著作権保護は「TRIPS協定」など知的財産権関連の国際条約の内容です。
補足コラム
WTO政府調達協定は、WTO加盟国のうち一部の国が締約しており、政府調達市場の透明性向上と差別的扱いの排除を目指しています。日本もこの協定に加盟しており、公共調達の国際競争力強化に寄与しています。
FAQ
Q: WTO政府調達協定はすべてのWTO加盟国が対象ですか?
A: いいえ。協定は任意加盟制で、一部の加盟国のみが締約しています。
A: いいえ。協定は任意加盟制で、一部の加盟国のみが締約しています。
Q: 環境に配慮した調達はWTO政府調達協定の範囲ですか?
A: いいえ。環境配慮調達は別の政策やガイドラインで扱われます。
A: いいえ。環境配慮調達は別の政策やガイドラインで扱われます。
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