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システムアーキテクト試験 2022年 午前2 問11
JIS X 0160:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば、廃棄プロセスのタスクのうち、アクティビティ“廃棄を確実化する”において実施すべきタスクはどれか。
ア:選定されたソフトウェアシステム要素を再利用、再生利用、再調、分解修理、保管又は破壊する。
イ:ソフトウェアシステムの廃棄戦略を定義する。
ウ:ソフトウェアシステム又は要素を不活性化して取り除くための準備をする。
エ:廃棄後の。人の健康、安全性、セキュリティ及び環境への有害な状況が識別されて対処されていることを確認する。(正解)
解説
JISX0160:2021における廃棄プロセスの理解
JISX0160:2021では、ソフトウェアライフサイクルの各プロセスとタスクが明確に定義されています。その中で特に重要なプロセスの一つが「廃棄プロセス」です。このプロセスは、ソフトウェアシステムやその要素がもはや使用されなくなった際に、安全かつ効率的にそれらを処理することを目的としています。
廃棄プロセスのアクティビティ「廃棄を確実化する」
アクティビティ「廃棄を確実化する」では、実施すべきタスクの中に人の健康、安全性、セキュリティ及び環境への影響を考慮することが求められています。このアクティビティは、特にソフトウェアやハードウェアの廃棄が持つ潜在的なリスクを評価し、それに対する対策を講じることが重要です。
選択肢の解説
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ア: 選定されたソフトウェアシステム要素を再利用,再生利用,再調、分解修理、保管又は破壊する。
- このタスクは廃棄プロセスの一部に関連しますが、再利用や分解などの操作は「廃棄」そのものではなく、むしろ他のプロセスに関連する内容です。
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イ: ソフトウェアシステムの廃棄戦略を定義する。
- これも重要な作業ですが、戦略を定義することは「廃棄を確実化する」というアクティビティの直接的なタスクではありません。戦略は計画段階のものであり、実行とは異なります。
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ウ: ソフトウェアシステム又は要素を不活性化して取り除くための準備をする。
- これは廃棄プロセスの準備段階に該当しますが、実際の廃棄が行われた後における安全性の確認に焦点を当てておらず、タスクの要件には合致しません。
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エ: 廃棄後の人の健康、安全性、セキュリティ及び環境への有害な状況が識別されて対処されていることを確認する。
- これが正解です。このタスクは、廃棄されたソフトウェアやその要素から生じる可能性のあるリスクを識別し、それに対して適切に対処することを確認することが求められます。これは、「廃棄を確実化する」目的を達成する上で非常に重要なステップです。つまり、単に廃棄するだけではなく、その結果としての影響を最小限に抑えるための確認作業が必要不可欠です。
まとめ
廃棄プロセスにおいては、ただ単に不要なものを捨てるのではなく、廃棄後の影響を考慮し、安全で持続可能な方法でマネジメントすることが求められます。このように、選択肢「エ」が、廃棄プロセスのアクティビティ「廃棄を確実化する」において、最も重要で実施すべきタスクであることが理解できます。