システムアーキテクト試験 2023年 午前203


複数のシステムの組合せによって実現するSoS(System of Systems)をモデル化するのに適した表記法であるSysMLの特徴はどれか。
オブジェクト図によって、インスタンスの静的なスナップショットが記述できる。
単純な図形及び矢印によって、システムのデータの流れが記述できる。
パラメトリック図によって、モデル要素間の制約条件が記述できる。(正解)
連接、反復、選択の記述パターンによって、ソフトウェアの構造が分かりやすく視覚化できる。

解説

SysMLの特徴とSoSモデル化に適した表記法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:SysMLのパラメトリック図は、複数システムの制約条件を表現しSoSのモデル化に最適です。
  • 根拠:パラメトリック図はモデル要素間の数理的制約を記述でき、システム間の関係性を詳細に表現可能です。
  • 差がつくポイント:単なる構造やデータフローではなく、制約条件を明示的に表現できる点がSysMLの強みです。

正解の理由

選択肢ウの「パラメトリック図によって、モデル要素間の制約条件が記述できる」は正解です。SoSは複数の独立したシステムが連携して機能するため、各システム間のパラメータや制約条件を明確にモデル化する必要があります。SysMLのパラメトリック図は、これらの制約を数式や論理式で表現し、システム全体の整合性を検証できるため、SoSのモデル化に適しています。

よくある誤解

SysMLの図はUMLの拡張であり、単なる構造図やデータフロー図だけでなく、制約条件を表現するパラメトリック図も含まれます。これを知らずに単純な図形や矢印だけで表現できると誤解しがちです。

解法ステップ

  1. SoS(System of Systems)の特徴を理解する:複数システムの連携と制約が重要。
  2. SysMLの各図の役割を確認する:オブジェクト図、パラメトリック図、アクティビティ図など。
  3. 制約条件を表現できる図が何かを判断する。
  4. パラメトリック図が制約条件の記述に特化していることを確認する。
  5. 選択肢の中でパラメトリック図を含むウを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: オブジェクト図はインスタンスの静的構造を示すが、制約条件の記述には不向きです。
  • イ: データフロー図はデータの流れを示すが、SysMLの特徴的な図ではなくSoSの制約表現には不十分です。
  • ウ: パラメトリック図はモデル要素間の制約条件を記述でき、SoSの複雑な関係性を表現可能です。
  • エ: 連接、反復、選択はプログラムの制御構造であり、SysMLの図の特徴ではありません。

補足コラム

SysML(Systems Modeling Language)はUMLを拡張したシステム工学向けのモデリング言語で、要件、構造、振る舞い、パラメトリックの4つの主要な図を持ちます。特にパラメトリック図は、物理的・数学的制約をモデルに組み込むため、複雑なシステムの整合性検証に役立ちます。

FAQ

Q: SysMLのパラメトリック図はどのような場面で使われますか?
A: システムの性能要件や物理的制約を数式で表現し、設計の整合性を検証する際に使います。
Q: SoSのモデル化でSysML以外に適した表記法はありますか?
A: SysMLが最も標準的で強力ですが、特定の分野ではBPMNやUMLも補助的に使われることがあります。

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